
2005年11月04日
冒険の国
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久々の桐野夏生さんの作品でした。「天使に見捨てられた夜」「ファイヤーボール・ブルース」「柔らかな頬」などしばらく前に乱読していたのですが、しばらくぶりになります。「OUT」は映画化もされ話題になりました。
この「冒険の国」はかなり初期の長編作品(長編処女作?)ですが、文学賞の受賞は逃したものの、一連の桐野作品にみられる「シニカルさ」がすでに存分に現れていました。この文庫版は当時の発表原稿に手を入れて「文庫オリジナル版」となっています。
約160ページで「長編」というより「中篇」という感じですが、著者の他の長編と比べると、「ネタ」と「ネタ」のあいだにアソビがない、というか、全体の構成上必要な要素があからさまにそこにある、感じが少しします。
「中篇」の難しいところでしょうか。著者はずいぶん前に書いたもので、その未熟さに読み返すのが恥ずかしかったようですが。
by 管理人 at 2005年11月04日 12:58
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Tracked on 2005年11月10日 15:23
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