2005年04月

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穴
The Hole
2001年/イギリス/102分
監督:ニック・ハム
原作:ガイ・バート
脚本:ベン・コート、キャロライン・イップ
出演:ソーラ・バーチ、デズモンド・ハリントン、ダニエル・ブロックルバンク、他
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「アメリカン・ビューティー」のスカーレット・ヨハンソン、ではなく、ソーラ・バーチが主演しているとのことで鑑賞。

「ゴーストワールド」でもくせのあるというか存在感のある演技を披露していましたが、この映画を観て主役をはれる女優であることを確認。でも演技力、存在感はあると思うのですが、色気を売るキャラではないのと、存在感がとてもあるので作品が限られてしまうのかもしれない、とも思ってしまう。

この「穴」もソーラ・バーチの魅力(特徴)が表現された作品だと思うが、見る側がそれを望んでいるかどうかに疑問が残る作品のように思う。案外、近い将来「監督デビュー」なんかしてしまうかも。

そう、この作品のほうは英語映画ですが、とてもインディペンデントな臭いのプンプンする映画で好感触。最近の日本映画にも通ずる雰囲気(バジェットだけ?)があるような。

眺めのいい部屋

眺めのいい部屋 完全版 スペシャル・エディション眺めのいい部屋 完全版 スペシャル・エディション
A Room With A View
1986年/イギリス/114分
監督:ジェームズ・アイヴォリー
原作:E・M・フォースター
出演:ヘレナ・ボナム・カーター、ダニエル・デイ・ルイス、他
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教養あふれる文芸大作映画。E・M・フォースターの原作を比較的忠実に再現しているよう。とかく目を惹いたのがダニエル・デイ・ルイスの演技っぷり。

「マイ・レフトフット」でも好演していた彼だが、「存在の耐えられない軽さ」で渋い演技で決めていた彼があれまあれまの豹変ぶり。役者陣全体の中でも異彩を放つキャラクターを熱演。

役になりきる彼の役者魂には脱帽です。こんなに情熱的な役者さんだったとは知りませんでした。

あと、この映画は英語の発音が奇麗だったように思います。クイーンズイングリッシュ? というやつだろうか。

変態家族・兄貴の嫁さん

変態家族 兄貴の嫁さん変態家族 兄貴の嫁さん
1984年/日本/62分
監督・脚本:周防正之
企画:朝倉大介
撮影:長田勇市、滝影志
音楽:周防義和
出演:風かおる、山地美貴、麻生うさぎ、大杉漣、他
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最近、ハリウッドでのリメイク作も日本で公開されている、周防正行監督の初期のポルノ作品。DVDに付属のインタビューを見ると低予算、撮影期間は5日間だったよう。とてもタイトな現場だったことが伺えますが、低予算映画はそんなものなのかもしあれません。

小津監督の「東京物語」も模して、「もし原節子が嫁いだ先が変態家族だったら」という設定で作られたこの作品、見所はたくさんあるのですが、「小津監督に重なりたい」という周防監督の想いが全面に現れている。

その時の状況を語る周防監督の表情も生き生きとしていてとても好感のもてるものだった。語っている口もとから悦びがこぼれだしそうだった。これだけの想いがあれば細かいことをあれこれ言うよりさしだされたものを素直に受け入れたくなるし、作品自体にもそれが現れていた。

周防監督はその後「ファンシーダンス」「しこふんじゃった」「Shall we ダンス?」などのエンタテイメント性のある映画を撮ることになりますが、その兆しを感じます。

笠智衆役を若かりし大杉連が演じていたのも新鮮。たしかこのころはまだ30歳くらいだったはず。よい意味でやりたいこと自体を客に媚びない自主映画的な奔放さが感じられてすがすがしい。ポルノ作品なのに。

ある女の存在証明

ある女の存在証明〈無修正版〉ある女の存在証明〈無修正版〉
Identificazione di una donna
1982年/イタリア・フランス/130分
監督・脚本:ミケランジェロ・アントニオーニ
撮影:カルロ・ディ・パルマ
出演:トーマス・ミリアン、ダニエル・シルヴェリオ、他
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10年程前に、大学の近くの「名画座」という名のレンタルビデオ店で見つけ鑑賞。

今回観たのはそれ以来。アントニオーニは好きな監督の1人で「ブロウ・アップ」「砂丘」など、というかこの2本有名だけど彼のフィルモグラフィーの中では異色を放っているかもしれない、もその予定調和を超えた「破天荒さ」、観ていて驚きがあるところなどが特に好きな作品なのですが、この作品、改めて観ると「新しさ」はない。

ても冒頭から流れる「ゆったり」とした時間の中でやりとりされる台詞まわしなど、その時代のものなのかは定かではないが、自分的には平常心のまま鑑賞できる数少ない作品の一つ。

「映画監督」ってこんなに「もてない」とも思うのは、私だけ?

フリッパーズ・ギター

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フリッパーズ・ギターの3本のビデオクリップを1枚にまとめたお得なDVD。

大学時代に映画サークルの部室で観た記憶があり、とても懐かしい1枚でもある。

小沢くんや小山田君も歳をとりましたが、当然自分も同様に歳を重ねていることを確認してしまいました。

「CAMERA! CAMERA! CAMERA!」「YOUNG, ALIVE, IN LOVE - 恋とマシンガン -」「SLIDE」が特に印象的。

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