スペイン映画

トップページ > スペイン映画

ゴールデン・ボールズ

ゴールデン・ボールズ〈無修正版〉ゴールデン・ボールズ〈無修正版〉
Huevos de Oro
1993年/スペイン/92分
監督・脚本:ビガス・ルナ
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ
出演:ハビエル・バルデム、エリザ・トゥアティ、マリア・デ・メディロス、マリベル・ヴェルドゥ、ラクエル・ビアンカ、ベニチオ・デル・トロ、他
Amazonで詳しく見る

テリー・ギリアム監督の「ラズベガスをやっつけろ」、「ユージャル・サスペクト」などの、若き日のベニチオ・デル・トロが出演しているとのことでこの「ゴールデン・ボールズ」を鑑賞。ポルノでもないのに「金玉」という題名の映画を製作するなんてスペイン人の感覚はうらやましいかぎり。

とかなんとか思いつつ鑑賞するも、この映画思ったより面白い。ひとまず女好きなジェラール・ドパルデューのような主人公を許せるか否かの問題はありますが、登場する全ての女性陣がそれぞれ魅力的なことと、ツタヤなどでは「エロティック」コーナーにある割にはヌードも自然で悪い意味でのイヤらしさを感じさせない。これも主人公の「愛すべき男(悪気はない)」ところに寄るところが大きいが作ろうとしてもなかなか作れない映画であることは間違いない。

それと冒頭のモロッコでの土方からスペインに向かうところなどの映像の躍動感は90年代の映画だとは思えない。ロックなどもそうだが、概ね最近は「時代を代表する」ような映画はどこか病んでいたりするような気がするが、これほどスッキリと観れる映画も珍しい。

お目当てのベニチオ・デル・トロもちょっとクセのある役所で出演していて印象深い。でも、映っている彼の恰幅の良さが気になったのは私だけだろうか。

死ぬまでにしたい10のこと

死ぬまでにしたい10のこと死ぬまでにしたい10のこと
My Life Without Me
2003年/カナダ・スペイン/106分
監督・脚本:イザベル・コヘット
製作総指揮:ペドロ・アルモドバル
撮影:ジャン=クロード・ラリュー
出演:サラ・ポーリー、スコット・スピードマン、デボラ・ハリー、マーク・ラファロ、レオノール・ワトリング、他
Amazonで詳しく見る

スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督が製作総指揮の感動作。

原題は「My Life Without Me」だが、「死ぬまでにしたい10のこと」という邦題の方が映画の内容にも合致し、かつ、キャッチが効いていて素晴らしい。

映画の内容についてもあからさまな不満はないが、ペドロ・アルモドバル監督が総指揮だから仕方がないことだと思うが「ハイここが泣きどこです」といった露骨な演出に違和感を感じないわけにはいかない。

それだけ監督の意図がハッキリと映像化されている、とも言えるとは思うが、個人的には、ちょっと目を惹く美術や風変わりなキャスティングなど、息抜きというか「笑い」はいらないとは思うが、それ以外の魅せ場が欲しかった。そうすると「これ見よがしさ」がより気にならなくなるように思う。

でも、これくらいストレートな方が世界で感動作として理解されやすいし、日本でも受けるには受けるとは思うのですが。

みなさんは「あざとい」というか「わかりやすい」のがお好きなのかな。


SWEET SIXTEEN

SWEET SIXTEENSWEET SIXTEEN
2002年/イギリス・ドイツ・スペイン/106分
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァーティ
撮影:バリー・アクロイド
出演:マーティン・コムストン、ミッシェル・クルター、アンマリー・フルトン、ウィリアム・ルアン、ゲイリー・マコーマック、他
Amazonで詳しく見る

ケン・ローチ監督の切なく胸しめつけられる恋愛モノではない青春映画。観ていて、北野武監督の「キッズ・リターン」を思い出したりした。

この映画「SWEET SIXTEEN」には「救い」はほとんどないが、一方で、安い救いなら無い方がましだとも思う。ないならないなりに見る側はカタルシスを感じることはできる。

不器用で男気のある青年が主人公でしたが、自分の理想に向って行動することは大切だが、努力すればいいわけではなく、報われるわけでもないことを実感。

知識はあまりないが、現在、タジキスタン共和国など、経済状況が悪い国では、若者が手っ取り早くお金を得る手段としてコカインなどの麻薬密売があとを絶たないようだが、「意識」だけでは解決できないだけに難しい問題ように思う。

ケン・ローチ監督はある個人を描いており、それは個人から多へ広がるというよりは、個人を通して階級などの社会を描いているので「社会派」と呼ばれるような作品を撮っているのだろう、と思うが、それは同時に、物語として個人があまり反映されなくなるわけで、そこには物足りなさを感じてしまうことも再確認。

やさしくキスをして

やさしくキスをしてやさしくキスをして
Ae Fond Kiss
2004年/イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァティ
撮影:バリー・アクロイド
出演:アッタ・ヤクブ、エヴァ・バーシッスル、アーマッド・リアス、シャムシャド・アクタール、シャバナ・バクーシ
Amazonで詳しく見る

意外にも名前だけしか知らなかったケン・ローチ。それこそ「テス」と「ケス」の区別がつかず、ラッセル? 観たような観てないような、ポランスキー監督じゃなかったっけ? といった感じだった。

「やさしくキスをして」は、「ケン・ローチ初の恋愛映画」のようなふれ込みだったようですが、例えば、フランスのジャン=ジャック・ベネックス監督やレオス・カラックス監督などの恋愛映画と比べると、「恋愛映画」というよりは、「人種をまたがった恋愛の難しさを描いた社会派映画」だったように思う。恋愛映画にしては恋愛を感情にうったえかけようという作り手の意図が薄かったように思う。

そこで、よくよくフィルモグラフィーを見てみると、ケン・ローチ監督はすこぶる「社会派」な監督さんなようで、この「やさしくキスをして」は、氏の作品群のなかではセックスシーンが多い恋愛映画、ということになるのかもしれない。

性描写については、フェラチオを描くことなくクンニリングスをしっかり描いていると、それはそれで意味、意図があるんだろうと思ってしまう。

つい、多民族国家、というと安直に「アメリカ!」と思ってしまうのですが、イギリスもいろいろ問題が絶えないだろうな、とつくづく思う。

トーンというかテンション? はアメリカ映画よりもイギリス映画の方が、素の日本人のリズムに合っているような気もする。

プロフィール

「映画喫茶」は自主映画監督、酒井啓が鑑賞した映画や小説などについて綴ったデータベースです。プロフィールなどの詳細は下記公式サイトへどうぞ。

○ 公式サイト
http://sakaiakira.net/
○ 公式サイト(English)
http://en.sakaiakira.net/

About
スペイン映画

ブログ「映画喫茶」のカテゴリ「スペイン映画」に投稿されたすべての記事のアーカイブページです。新しいものから過去のものへ順番に並んでいます。

スペイン映画
のリスト




Copyright 2005-2011 sakaiakira.net All Rights Reserved.