数年ぶりに久しぶりの鑑賞。以前観たときから「いい映画だった」ということしか思い出せなかったが、いざ観始めると瞬時に思い出すシーンが多かったが、弟とのやりとりは思いのほかすっかり忘れてしまっていた。
この映画、ツタヤなどでは「SF」の棚にあることが多いですが、画的には地上ばかり映っています。「さほど遠くない未来の話」という意味ではSFなのですが、観ているときに感じるのは「ミステリー」的な緊張感が多いので、「SFミステリー」というちょっと変わったジャンルの映画になるかと思う。
アカデミー美術賞ノミネートのこの作品、美術(小道具)などはとくにスタイリッシュで観ていて気持ちがよい。イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウの身のこなしもとてもクール。「テープ」で競演していたイーサン、ユマ元夫妻を思い出します。あと、ランニングマシーンでのイーサンにはつい笑ってしまいました。
「緊張」があると、ある点で「笑い」に転化するが、それを思うようにコントロールして表現するのんは難しい。シーンのつながりの中で生まれる緊張感もあるし、許容範囲も個人差があるはずだし。でもどこかにそのポイントは確実に有るようにも思う。
この映画の成功を皮切りにニュージーランド出身のアンドリュー・ニコル監督は「ターミナル」(原作・製作総指揮)など数々の話題作の製作に関わることになりますが、脚本の完成度も高い作品。
サスペンス的なエンタテイメントでありながら「生命の倫理とは?」等々観ているものに疑問を投げかける。
こんな映画を観ると、自分の書く拙い出来の脚本が恥ずかしく思ったりもします。