2006年01月

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ラスベガスをやっつけろ

ラスベガスをやっつけろラスベガスをやっつけろ
Fear and Loathing in Las Vegas
1998年/アメリカ /118分
監督・脚本:テリー・ギリアム
原作:ハンター・エス・トンプソン
撮影:ニコラ・ペコリーニ
出演:ジョニー・デップ、ベニチオ・デル・トロ、キャメロン・ディアス、クリスティーナ・リッチ、トビー・マグワイア、他
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まだ観てはいませんが、最近は「ブラザーズ・グリム」「ロスト・イン・ラ・マンチャ 」などで話題のテリー・ギリアム監督の70年代テイストの溢れるサイキックムービー。

封切り時に、何の事前情報なしに、たしかシネスイッチ銀座にふらりと観にいってジョニー・デップに似ている人とベニチオ・デル・トロに似ている人が出ていたけど。

2000年間近の作品のはずだけれど、70年代に撮影してお蔵入りになっていたものの上映? どこか聴いたことがあるようなギターだとはおもっていましたが、クレジットにHOTEI Tomoyasuと出ていてビックリ、だってテリー・ギリアム監督の作品だよ。といったところが初見の印象。

上記の2人に加え、キャメロン・ディアス 、クリスティーナ・リッチまでもが以外な役で出演しており、ギリアム監督の人気っぷりがうかがえる。

苦手な人は駄目かもしれませんが、とても「自由」を感じる作品。突き抜けた開放感があります。
自由に撮っていても、観てそう感じる作品はめったにありません。貴重な作品です。

東京ゾンビ

東京ゾンビ東京ゾンビ
2005年/日本/103分
監督・脚本:佐藤佐吉
原作:花くまゆうさく
撮影:石井勲
出演:浅野忠信、哀川翔、奥田恵梨華、松岡日菜、古田新太、中村靖日、高樹マリア、谷村美月、楳図かずお、他
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ようやく昨日渋谷、シネセゾンで鑑賞しました。お客の入りは日曜の16:45~の回で1/3程、70人強。

浅野忠信+哀川翔、が主演で話題の漫画が原作のゾンビコメディ。

節々思わず吹き出してしまうカットはあったが、なんとなく見終えた後の満足度は低い映画だった。原作に対する思い入れや漫画を読む感覚で映画を観たら面白いのかもしれないが、映画的な映画、を求めて観ると物足りなさを感じた。

といっても、やはり、浅野・哀川両氏の演技は素晴らしく安心して観ていられた。フジオの妻役の奥田恵梨華さんは芝居は未知数ですが、時々ドキリとする色っぽさを感じてしまいました。コカコーラ「FRESS」などのCMに出演している方なのですね。

原作は読んでいませんが、同じく「漫画が原作」で思い出す「ピンポン」などと似ている雰囲気があったように思う。

特に音・音楽は負けかな。あと、役者陣、僕はとても好きだけど、ふだん映画を観ない人には地味なのかもしれない。たとえ単館でもそういう人を取り込めれれば興行的には成功すると思う。せっかく原作モノ(漫画)をやるならね。

そういえば、監督の佐藤佐吉さんは三池崇監督、大森南朋さん主演の「殺し屋1」の脚本を担当していたのですね。知らなかった。個人的には「殺し屋1」の方が衝撃的でした。

「サウンドデモ・ルポ」が早稲田大学で上映

本日、以前、私が作った「自衛隊のイラク派兵反対のサウンドデモ」をまとめた『サウンドデモ・ルポ』が早稲田大学、第一文学部・第二文学部、文芸専修の演習授業で上映されました。

作り手としては、上映場所に同席できないのは残念でしたが、生徒さんがどんな顔で観ていたのか気になるところです。

作品の詳細は WEBサイト を御覧ください。
作品を個別に紹介したページプレビュー動画(RealPlayer形式)をアップしています。

猫ひろしがやって来るニャー!ニャー!ニャー!

猫ひろしがやって来るニャー!ニャー!ニャー!猫ひろしがやって来るニャー!ニャー!ニャー!
2005年/日本 
出演:猫ひろし、安齋肇、銀杏BOYZ、大槻ケンヂ、城咲仁、リリー・フランキー、みうらじゅん、喰始、他
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お笑いのDVDは初めて観ました。お茶の水にあるJANISに最近入荷されていたのです。

ためらいながら観た割にはとても楽しめました。テレビなどで1分ぐらいのネタだけを細切れて観ていただけだったので、保育園での子供相手の「生クリーム」や老人ホームでの営業?など新鮮でした。あとライブ映像も。

特典映像の「猫ひろしの恩返し」では恩返しネタを観た大槻ケンヂさんが「猫ひろしには夢がある」と言っていたのが印象的でした。

喰始さんの「言葉の羅列にすぎない」という駄目だしもよかったですが、さすがにあの時は猫さんのギャグもとてもいっぱいいっぱいな感じがでていて好印象でした。

このDVDを最後まで観れれば(楽しんで)猫ひろしをきっと好きになります。

正月に笑福亭鶴瓶と漫才をする番組に出演していたのですが、ネタみせ+控え室?でトークのみで漫才が成立していませんでした。途中で鶴瓶師匠があきらめたようでした。「こんなパターンもあるのか」とちょっと刺激的。

CASSHERN

CASSHERNCASSHERN
2004年/日本/141分
監督・撮影・脚本:紀里谷和明
原作:竜の子プロダクション「新造人間キャシャーン」
衣装:北村道子
主題歌:宇多田ヒカル
出演:伊勢谷友介、麻生久美子、唐沢寿明、寺尾聰、樋口可南子、小日向文世、宮迫博之、佐田真由美、要潤、西島秀俊、大滝秀治、他
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70年代の「新造人間キャシャーン」は知りませんが、とりあえず映像が凄かった。初監督の紀里谷和明氏は撮影監督も兼任していたようですが、「実写とCGの融合」と言ってしまえば簡単ですが「おおっ」と思うような映像を作るのはとても困難だと思う。

特にアニメで最近よく行われているけれど悪い意味で「なんか不自然」な感じは否めない。その点この映画は僕が今まで観た合成映像の中で一番の出来だと思う。数カット「えー」と思ってしまう部分はありましたが。

ただ、「もったいない」と思ったのはそのテーマと内容。原作に忠実かどうかはわかりませんが、生命の倫理を描くならば、脚本にそれをちゃんと組み込まないと、観客に対してイマイチ訴求力に欠ける感があるように思う。

「教授が新造細胞の理論を完成させた」というだけでは薄いと感じてしまう。もう少しそれにまつわるテーマを掘り下げないと、「ある倫理を問う映画」にはならない。

あるいは、それはそれとして、原作を忠実に再現するのであれば、題名だけでお客さんを呼べるくらいの作品でないと、「エンタテイメント映画」として存在しにくいと思う。「映像が凄い」だけでは製作費をとりかえすことは難しいのではないだろうか。恐らく出演者やCG等にお金はとてもかかっているように思うし。

なんか「もったいない感」はありますが、今まで観たことのない映像は体験できるし、出てくる出演者が魅力のないアイドルなどではなく演技のできる役者さんばかりなので、とてもゴージャスな気持ちになれる一本です。

オールド・ボーイ

オールド・ボーイ プレミアム・エディションオールド・ボーイ プレミアム・エディション
Old Boy
2004年/韓国/120分
監督・脚本:パク・チャヌク
原作:土屋ガロン、嶺岸信明
出演:チェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・ヘジョン、他
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数年前にカンヌ映画祭でグランプリに輝いた近年の元気のよい韓国映画を代表するような愛憎物語。

韓国映画はあまり観ないのですが、その原因の一つに、サッカーを観ていても同じなのですが、見た目が日本人に近いわりにはテンションが日本人のそれとは大きく異なることに違和感を感じてしまうことが多いように思う。香港映画や中国映画もそうなのですが。

欧米やアフリカなど骨格や皮膚の色などが明らかに異なるような人々の映画は「違うもの」としてフラットな気持で観れるのですが、なまじ似ていると同じものとして観ようとするが、そうではない、という違和感がどうも心地悪く感じてしまうようである。

結局この映画、凄く「魂」のこもった映画だとは思うのですが、同じことでも「そういう風には言われたくない」と感じてしまいます。一種の拒絶反応ですな。

でも、文句を思いながらも最後まで集中して観たことは確かです。

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