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ジャンヌ・ダルク

ジャンヌ・ダルク [Blu-ray]
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LOOK

LOOK [DVD]LOOK [DVD]
2007年/アメリカ/102分/R-15
監督・脚本:アダム・リフキン
撮影:ロン・フォーサイス
出演:ジョゼッペ・アンドリュース 、リス・コイロ 、スペンサー・レッドフォード 、ヘザー・ホーガン 、ジェニファー・フォンテインほか
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監視カメラでの映像ばかりを重ねた、基本的に「ネタ」勝負の映画。 個人的には、実際の監視カメラの映像で映画を作ったのか、出演者のプライバシーはどうするのだろう。などど考えていたが、杞憂だった。完全フィクションの映画でした。 この映画は時代=高度情報化社会を反映している映画だとは思いますが、見終えた後に「だから何?」と個人的には思ってしまう。「プライバシーがないことに気をつけましょう。」ということなのかもしれないが、今時監視カメラや盗聴器から100%自由な場所なんてほとんどないことは自明の理のような気がする。これは今年そうなったわけではなく例えば5年前でも状況はそれほど変わらないように感じる。そういう意味でわかりやすい=楽しみやすい映画であることは認めますが、わざわざ日本に輸出する程の映画でもないような気もする。 ただ全編監視カメラと設定されるビデオ映像のみの映画=フィルムですが、こんな映画でもある程度世界的に評価される世界の映画事情に勇気が湧く、というか落胆する映画ではあります。ただ「ビデオ映像」といっても緻密な段取り=つじつまを合わせた映像ばかりで構成されており、この点は「プロの仕事」といったところか。個人的には安易なサービス業のような演出ではなく、もっと根源的に警鐘を鳴らすような気概で製作した映画を観たいものです。


「LOOK」公式サイト
http://www.cinemacafe.net/official/look/

ミルク

ミルク [DVD]ミルク [DVD]
MILK
2008年/アメリカ/118分
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ショーン・ペン、エミール・ハーシュ、ジョシュ・ブローリン、ジェームズ・フランコ、ディエゴ・ルナ、ほか
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ガス・ヴァン・サント監督のゲイの公民権活動家・ハーヴィー・ミルクの生涯を綴った伝記映画。この作品は九段会館での試写会で鑑賞。九段会館は映画というより舞台やクラシックなどのコンサートの方が適した会館(3階席からはスクリーン自体が見づらい)ですが、当日は席を確保するだけでいっぱいいっぱい。結局3階席の尻が痛く、隣りの人と接するような近さ(パイプ椅子より近い)で鑑賞することに。

結果からいうと「泣いた」。
映画で泣いたのは90年代に諏訪敦彦監督の「MOTHER」を観て以来10年ぶりくらいになる。

もともとこの映画や「ハーヴィー・ミルク」個人に対する意見というか、存在すら知らない状態で鑑賞できたところが大きかったように思う。映画や映画のチラシは好きですが「事前の知識」は、基本的に邪魔と考える。あれこれ調べるのは観終えたあとのほうが作品をダイレクトに感じやすいのではないだろうか。そこそこ食いつかないと映画を観に行く行為は難しいですが、なるべく少ない情報で観た方が純粋な気持ちで観れてよいように思う。知識は調味料のようなもので、うまく使えればよいですが、基本的に素材を生かして食べたい、といういうところだろうか。あるいは全く逆に、当事者や関係者として事前に撮影現場の雰囲気などを感じていると、現場と作品を観比べることができて面白いかもしれない。

「ミルク」で泣けてしまったのは、ショーン・ペンの熱演によるところが大きいと思うが、その演技とガス・ヴァン・サント監督のドキュメンタリータッチの演出が痛々しいほどリアルに感じてしまい、つい目頭が熱くなり。。たいてい「熱演」を観ると「まじめに働いている」というような印象をもつことが多いですが、作風=演出がドキュメンタリータッチになていると、すっと映画に中に入れてしまう。

私はゲイではありませんが、ジェンダー的な男社会には心底うんざりしているので、むしろ。ゲイの方々のような社会的マイノリティーが、いくつもの困難にぶちあたりながら、自らの社会的地位を獲得していく様に、うっかり自らを投影していたのかもしれない。社会派であれ個人的なものであれ、やはり「価値の転覆(・・・になること)こそが自由であること」を改めて実感。

milk.jpg (C) 2008 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ファニーゲーム U.S.A.

ファニーゲームU.S.A. [DVD]ファニーゲームU.S.A. [DVD]
Funny Games U.S.
1997年/アメリカ/111分/PG-12
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
製作総指揮・出演:ナオミ・ワッツ
出演:ティム・ロス、マイケル・ピット、ほか
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ミヒャエル・ハネケ監督の2007年製作、2008年公開作品。こちらは劇場公開を逃しDVDで鑑賞。 恐がりなくせに無理して観ていただけに、この作品に関しては映画館に行かなくてほんとうに良かったと思っている。

たしか90年代後半あたりに、この作品の元、というかほぼ同じ作品「ファニーゲーム」を観て、怖さはもとより、勝手に「映画を作る理由・求めるもの」について考えさせられた作品。この「ファニーゲーム U.S.A.」を観て感じたのは、怖い映画は知った顔=有名俳優が出演していると怖さが薄れる、ということ。

デヴィッド・リンチ監督の「マルホランド・ドライブ」で脚光を浴びたナオミ・ワッツは私の数少ない好きなハリウッド女優の一人だが、この作品に惚れ込み、版権を買って、自ら下着姿で見事なプロポーションを披露し、同じ監督を雇ってリメイクまでした彼女の行動力には、尊敬の念を抱く、と同時になんというか正直呆れてしまう部分もあった。食べやすいように加工して輸入するアメリカの象徴のような感じがしてしまう。忠実にリメイクしているのに。。

個人的にはマイケル・ピットの小憎らしい演技に、ティム・ロスの弱々しい演技に首ったけとなっていたが「ファニーゲーム」を同じ演出家で違う俳優で観た感は拭えなかった。というのも、ハネケ監督にはどうしても過度な期待を寄せてしまいがちなところがある。

本来はデヴィット・リンチ監督と比べて、映画(大衆芸術)として観客層が同じくらいあるいはもっと狭いハネケ監督が、彼以上の本数の映画を作れる状況を作れていること自体に感服しなければいけないのかもしれない。

人に潜む「闇」の部分は無限大に広がっていることを顕在化させてくれた作品。


「ファニーゲーム U.S.A.」公式サイト
http://www.funnygame-usa.com/

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毛皮のエロス

毛皮のエロス~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~毛皮のエロス~ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト~
FUR: AN IMAGINARY PORTRAIT OF DIANE ARBUS
2006年/アメリカ/112分/R-18
監督:スティーヴン・シャインバーグ
原作:パトリシア・ボズワース「炎のごとく 写真家ダイアン・アーバス」(文藝春秋)
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
撮影:ビル・ポープ、編集:出口景子
出演:ニコール・キッドマン、ロバート・ダウニー・Jr、タイ・バーレル、ハリス・ユーリン、他
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ひとまずどこが「18禁」なんだかよくわからん映画。

正直、もっと正統派の半ドキュメンタリー的な作風を期待していただけに、ショックはそれなりに大きく、そのズレは鑑賞後の不満足度と危うく結びつきそうになってしまった。

そう、映画は予想を裏切り「ロマンス」にのみ焦点があてられており、その点はハリウッド的にわかりやすい作風になっている。

「アイズ・ワイド・シャット」で当時の旦那とのセックスシーンでヌードを披露していたニコール・キッドマンだが、肝心の本作では不自然にブラジャーを身にまとっていてがっかりしたものである。ジャニス・ジョップリンを見習ってほしいものである。

どうもロマンス以外に関しての描写がすべて画一的で、フリークスや1950年代という時代、ダイアン・アーバスに対するとらえ方全てが、ある程度お金をかけてうわっつらだけを撮った感があり、ニコール・キッドマンは何故この映画を選んだのかは不明。

とはいえ、全ての事情を真摯に取り上げると、どうも重苦しくなってしまいがちなので、ある種シリアスになりがちなテーマをファンタジックに仕上げた、という意味では秀作だろうし、そんな映画が好きな人にとっては絶品に映画なのだろう。

「毛皮のエロス」公式サイト【日本語】
http://kegawa.gyao.jp/
「毛皮のエロス」公式サイト【英語】
http://www.furmovie.com/

シッコ

Sicko (Ws Amar)Sicko (Ws Amar)
SICKO
2007年/アメリカ/123分
監督・製作・脚本・出演:マイケル・ムーア
製作:メガン・オハラ
撮影:クリストフ・ヴィット
音楽:エリン・オハラ
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「ボウリング・フォー・コロンナイン」「華氏911」などのマイケル・ムーア監督の最新映画。前作などは軽はずみな演出が鼻についたが、今回はイライラすることなく楽しく鑑賞。

印象的だったのは「ディフィカルト(difficult)」という言葉。
世界中では様々な制度をもった国があるが、それぞれは他の国の事情をしっかりと理解することは難しい。それぞれの国で言語の前提となるような文化・風土・価値感等は異なるので、仮に結果を「人間的な暮らし」と考えると、終着点はもちろん異なるし、そこまでの過程も異なるのである。文明人が未開人に文明について説明するのはまったくもって「ディフィカルト(difficult)」である。

だいたい「自由の名のもとに団結して戦争を始める国」に国民の平和がたもたれるはずはない。

この「シッコ」はフィクションというよりはドキュメンタリーだが、ドキュメンタリー的なのは「登場する人々が役者でないのと演技をしていない」点。言ってしまえばドラマ仕立てですらあるくらいだ。作品としては「ディズニーランド」と同様に「マイケル・ムーアショー」。

しっかりとした「健康」「自信」「教育」を持ち合わせない国民が多い日本で、この映画がどれくらい影響を及ぼせるだろうか。

「シッコ」公式サイト【日本語】
http://sicko.gyao.jp/
「シッコ」公式サイト【英語】
http://www.sicko-themovie.com/

君とボクの虹色の世界

君とボクの虹色の世界君とボクの虹色の世界
ME AND YOU AND EVERYONE WE KNOW
MOI, TOI ET TOUS LES AUTRES
2005年/アメリカ/90分
監督・脚本・出演:ミランダ・ジュライ
製作総指揮:ホリー・ベッカー、ピーター・カールトン、他
撮影:チューイ・チャベス、音楽:マイク・アンドリュース
出演:ミランダ・ジュライ、ジョン・ホークス、マイルス・トンプソン、ブランドン・ラトクリフ、カーリー・ウェスターマン、ヘクター・エリアス、ブラッド・ヘンケ、ナターシャ・スレイトン、他
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ガーリーな映画。 こういう恋愛至上主義的な映画を観ていると、世界で起こっている「戦争」なんてどうでもいいような気がしてくる。女子高生に「オッパイ見せろ」とかメッセージを出している中年はどうなのか、と思うが、近所の少年をフェラったり、そのメッセージに乗ってしまう女子高生ってどうなんだろう、という気はした。これが邦題で言うところの「虹色の世界」なのだろうか。

スカトロっぽい言説も、子どもを持ち出すことでさわやかなユーモア感をだしている。そんなことを考えると、この映画は「ちょっとスレた女の子」や「なよった男の子」の為の映画なような気がする。

主演で監督脚本のミランダ・ジュライの魅力が全開だったが、もう少し造形的に美しかったら上品な映画になるような気もする。監督&主演の映画は日本では北野武や塚本晋也を思い出すが、女性ではなかなかいないので、存在しているだけで貴重な価値があるようにも思う。

個人的には上記のエロシーンが具体的に生々しく描かれていたら、18禁にはなってしまうとは思うが、映画として魅力的になっただろうことを考えると惜しい一本ではあるように思う。

「君とボクの虹色の世界」公式サイト【英語】
http://www.meandyoumovie.com/

「君とボクの虹色の世界」公式サイト【フランス語】
http://www.mk2.com/datamk2/sitesfilms/moitoi/home.html

キング 罪の王

キング 罪の王キング 罪の王
THE KING
2005年/アメリカ/105分/R-15
監督・脚本:ジェームズ・マーシュ
脚本:ミロ・アディカ
撮影:アイジル・ブリルド
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ウィリアム・ハート、ペル・ジェームズ、ローラ・ハリング、ポール・ダノ、他
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題名さえよくわからないまま、ウイリアム・ハートが出演している90分ものの映画、ということで鑑賞。

ウィリアム・ハートくはマヌエル・プイグ原作の映画「蜘蛛女のキス」のたしかモリーナ役を観て以来、珍しくファンになったが、今回の作品は、デヴィッド・クローネンバーグ監督の「ヒストリー・オブ・バイオレンス」での役柄に似ていた(製作年は同年)のは少し残念だったところ。彼は徐々にマイルドなホプキンス氏に近づいているような気がする。

映画はなんというか、善くも悪くも「題名通り」だったが、カソリックを持ち出すあたりで題名を知っていたら展開が読めてしまう(最初から)気はした。

主演のガエル・ガルシア・ベルナルのために作った映画のような感じだが、彼はなんというかデビューしたての木村一八氏を思い出させた。観ていて若干唐突感はあったが、役負けすることなく演じていたようにも思う。

脚本をもう少し頑張っていたらもっと面白くなったように感じる一本。

めぐりあう時間たち

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The Hours
2002年/アメリカ/105分
監督:スティーヴン・ダルドリー
原作:マイケル・カニンガム
脚本:デイヴィッド・ヘアー
撮影:シーマス・マクガーヴィ
出演:ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ、スティーヴン・ディレイン、ミランダ・リチャードソン、他
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「めぐりあう時間たち」は「リトル・ダンサー」のスティーヴン・ダルドリー監督のハリウッド進出作品。原作はベストセラーとなったらしいマイケル・カニンガム。作中では「ダロウェイ夫人」を執筆するヴァージニア・ウルフ役を特殊メイクか何かのニコール・キッドマンがシビアに熱演している。

以前に1度鑑賞したが、正直英文学の素養のない私には前提とされる設定に気づくことなく、不快感を伴う不可解感を持った印象があるが、今回は豪華にも解説付きで鑑賞。原作が売れたことを前提に作品を製作した感がある。

特に後半がなかなか面白かった。音楽でなかば強引に登場人物の感情の流れをつなげている感はあるものの、3つの「時代」「場所」「人物」が徐々に重なり合う瞬間などは見応えがある。

最近は不治の病ではなくなった(発症を抑えられるようになった)らしいエイズですが、90年代前半の盛り上がりを感じさせる映画でもあった。

たしかこの当時は、今の日本で右翼的な映画がバンバン作られているように、ハリウッドを含めた世界中でセクシャルマイノリティーをテーマとした同性愛映画が多かった記憶があるが、本作はその代表のような印象がある。

アクチュアリティ=流行ということなのだろうか、などと考えてみたり。

インランド・エンパイア

Inland Empire (David Lynch)インランド・エンパイア
Inland Empire
2007年/アメリカ・ポーランド・フランス/180分
監督・製作・脚本・撮影:デヴィッド・リンチ
製作:メアリー・スウィーニー
撮影:エリック・クレーリー、オッド・イエル・サルテル、オーレ・ヨハン・ロシュカ
出演:ローラ・ダーン、ジェレミー・アイアンズ、ハリー・ディーン・スタントン、ジャスティン・セロー、カロリーナ・グルシュカ、スコット・コフィ、ナスターシャ・キンスキー、ナオミ・ワッツ、裕木奈江、他
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今日、恵比寿ガーデンプレイスの11時からの回で鑑賞したが、上映後の裕木奈江さんの舞台挨拶には、共同通信などマスコミのカメラ、4・5台が来ていた。鑑賞後家に帰るとYahoo! ニュース「裕木奈江が5年ぶり登場」でさっそく記事になっていて、単純にそのスピードには驚くばかり。というかそれ以上に、裕木奈江さんが映画の中で重要な役所として長回しのカットで出演していたことにはもっと驚いたのですが。

結果的には封切り後の早いうちにデヴィッド・リンチ監督の最新作を平日の昼間にゆったりと観れたのはこの上なく贅沢な気持ちになったが、作品的には、終盤にカタルシスらしきものを感じられる点や音楽の使い方などは分かりやすく感じたが、個人的には「マルホランド・ドライブ」で感じた高い期待を上回ることはなかったように感じてしまったのは残念なところ。

製作の経緯はさておき、劇場で1800円払ってPD-150をテレシネしたMini-DV映像は観たくないし、リンチ監督はそう思わなかったようだが、180分を必要とする映画でもなかった気はする。

ただ、もう少しで自分が今何を観ているのかわからなくなりそうながらも、うっすらと時間について行くような、最近のリンチ作品のいつもの「不可解感」をめいっぱい感じられたのは貴重な体験で、これからしばらく「そういえばあのカットは・・・」と思いを巡らせることができて、長い時間楽しめるであろう作品だったことは嬉しいことだ。

友情出演のナスターシャ・キンスキーとナオミ・ワッツは観ている最中には見つけられなかったのは残念に思ったが、ナオミ・ワッツは着ぐるみで登場していたらしい。さすがに声だけでは判断できません。

「インランド・エンパイア」公式サイト
http://www.inlandempire.jp/

マイ・プライベート・アイダホ

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My Own Private Idaho
1991年/アメリカ/105分
製作・監督・脚本:ガス・ヴァン・サント
音楽:ビル・スタッフォード
出演:リヴァー・フェニックス、キアヌ・リーヴス、ジェームズ・ルッソ、ウィリアム・リチャート、キアラ・カゼッリ、他
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観た映画では「ドラッグストア・カウボーイ」初期ジャームッシュ的というか、初期コッポラ的というか、いわゆる「奇才」の印象のあるガス・ヴァン・サント監督。「エレファント」では2003年のカンヌ映画祭でパルムドールを取っていましたが、ヨーロピアンなタッチ=アンチ・ハリウッド的=純映画的な映画を撮ってくれる監督の印象があり、この未見だった「マイ・プライベート・アイダホ」もそんなタッチを期待しつつ鑑賞。

リヴァー・フェニックス、キアヌ・リーヴスとかハリウッド的な役者が出ているなぁと思っていたら、テイストはハリウッド的というか、かなり演劇的で映画的な映画を期待していた自分にはかなり拍子抜けの演出だった。チャレンジャーというか節操がないというかきっといろいろやる監督さんなのでしょう。そうじゃないとなかなかチャンスすらつかめないのかもしれないが。

観ていて思ったのは思っていた以上にリヴァー・フェニックスがジョニー・デップに似ているように感じたこと。また、それとは別に、この作品の役柄はリヴァー・フェニックスにハマッテいた、というか、恐らく身を削りながらの役作りだったのでは? と想像してしまったこと。

それと意外とキアヌ・リーヴスには個性がある、というか、どこにいっても「キアヌ・リーヴス」な人なんだろうなということがわかったこと。たしかマトリックスの前の作品なので、それ程世界的にはまだ売れていない頃だったと思うが、大根といわれればそうかもしれないが、西洋人ながらレバノンで生まれているようにどこかオリエンタルなものを感じさせるキアヌの魅力は現れていた映画だった。

作り、構成はハリウッド的で紋切り型のような気は少ししたが、映画としては91年なら今よりマイノリティーであったはずのゲイを描いている割には役者の力もあってか文字通りメジャー感の漂う映画でそれだけでも新鮮。

アイズ ワイド シャット

アイズ・ワイド・シャットアイズ・ワイド・シャット
Eyes Wide Shut
1999年/アメリカ/159分/R-18
監督・脚本:スタンリー・キューブリック
原作:アルトゥール・シュニッツラー
撮影:ラリー・スミス
出演:トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、シドニー・ポラック、トッド・フィールド、マリー・リチャードソン、他
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言わずと知れた、スタンリーー・キューブリック監督の遺作。最近はローマ字のまま「クーブリック」と発音しているらしい。

「2001年宇宙の旅」「フルメタルジャケット」「シャイニング」「時計じかけのオレンジ」などを好む人はこの「アイズ・ワイド・シャット」を好かない人が多いように思う。

個人的には「神」のような目線で映画を撮るキューブリックと、ちょっとおばかなトム・クルーズのブレンドは単に組み合わせだけでも想定外。

ニコール・キッドマンは妖艶で美しいですが、マヌケなトムと結婚して子供までいることを考えると「所詮こんな男が趣味の女か」などとつい大きな態度にでたくなる。

やっぱりこんなハリウッド俳優夫婦を「浮気するかも」くらいのことでベッドでだらだらさせるのは面白い。同じことを所謂自主映画でやっても面白くはならないとは思うが、そうなると、自主の場合はこれの逆をやればいい、ということか。

思い返せばこれで鑑賞するのは3回目くらいだが、不思議と飽きがこない。

他のキューブリック作品と比べるとその切り口が一線を画する作品だが不思議と「こんな形で煙に巻かれてたまるものか」という気持ちにさせられる力が大きい作品のように思う。なかなか映画を観ていてそんな風に考えられることはないので貴重な作品。この映画自体が頓知になっているように感じるところが他の映画では味わえない魅力。

「アイズ ワイド シャット」公式サイト
http://eyeswideshut.warnerbros.com/

スカイ・キャプテン

スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー プレミアム・エディションスカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー プレミアム・エディション
Sky Captain & The World of Tomorrow
2004年/アメリカ・イギリス/107分
監督・脚本:ケリー・コンラン
撮影:エリック・アドキンス
VFX;スコット・E・アンダーソン
出演:ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロー、アンジェリーナ・ジョリー、ジョヴァンニ・リビシ、マイケル・ガンボン
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ジュード・ロウが出演しているとのことで数年前に劇場で予告編を見てきになっていた「スカイ・キャプテン」を鑑賞。

実写ベースのフィルムノワール的なアクションアニメ映画、だと思っていたが、予想以上に「映画」だった。

ただ「リアルか?」と問われればそうではないので、ネパールの密教など突っ込みどころはたくさんあるはずですが、軽く受け流しながら鑑賞できればかなり楽しめる作品。グイネス・パルトロウもいい味をだしている。

ハリウッドもの、と考えると登場人物が少ないような気はするが、この映画は6分の自主制作アニメが基盤となっているようで、同じ監督がここまでおおきなバジェットの映画にしたことを考えると、ハリウッドものというより、がんばった自主映画ということになろう。

http://blog.sakaiakira.net/cat12/alfie/アルフィー」の記事にも書いたけれど、高校まではイギリスにいたというジュード・ロウですが、彼はハリウッド色に染まりきっていないアメリカ映画にのみ出演している印象がある。

イギリス人といえばマイケル・ウィンターボトム監督やケン・ローチ監督などを思い出すが、そういったイギリス代表的な作品というより、アメリカ映画ではあるがハリウッド映画というわけでもない比較的大規模な多国的映画を好んで出演している印象がある。

狙い所が地味といえばそうだが、確実に必要とされている種類の映画ではあるので、変に大量生産的な映画よりも製作者の愛情や思い入れなどを感じる世界マーケットとしては比較的小規模な作品に好んで出演するのはある意味正しい選択なのかもしれない、などと思ってみたり。

「スカイ・キャプテン」公式サイト(English)
http://www.skycaptain.com/

アルフィー

アルフィー スペシャル・コレクターズ・エディションアルフィー スペシャル・コレクターズ・エディション
Alfie
2004年/アメリカ/105分
製作・監督・脚本:チャールズ・シャイア
原作:ビル・ノートン
撮影:アシュレイ・ロウ
出演:ジュード・ロウ、マリサ・トメイ、オマー・エップス、ニア・ロング、ジェーン・クラコウスキー
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ジュード・ロウ映画祭第一弾として「アルフィー」を鑑賞。

1966年にイギリスを舞台にした映画のリメイク版。このジュード・ロウの「アルフィー」は60年代のニューヨークを舞台にしている。

'66年版もそのようだが、映画の手法としてはウディ・アレンの「アニー・ホール」などでもあったように、役中の登場人物の心理描写を役者がカメラ目線で語りかける手法がとられていることでメタ映画的な演出が施されていたことが印象的。

それとこのリメイク版の「アルフィー」はアメリカ資本の映画なようだが、映画のテイストはすこぶるイギリス的なような感じがした。なんというか、まぁ「紳士的」ということなんだけれど、シリアスな事柄に関してサラリと描写するところなどはそんな印象が強い。

仮に、下ネタ的な話があっても女性が引くことがないというか。個人的にはそんな描写は「綺麗事」に映ったりはするけれど、生々しいものを見たくない時なんかは案外こういう映画が安心して見れるものなのかもしれない。

こんな映画には主演のジュード・ロウがハマる。彼の作品はまだあまり見れていないが「ガタカ」などでもいわゆるハリウッド映画とは一線を隔すような、ちょうどインディペンデントとハリウッドの中間に位置するような作品を好んで出演しているような印象がある。

それは高校を中退してイギリスからアメリカに拠点を移した彼の生い立ちとも重なる部分があるように感じ、ひたすらハリウッド大作を目指したトム・クルーズやインディペンデント的な映画で自分のキャリアを磨いたジョニー・デップとは違った道もあるということを発見し、狙いとしては案外「悪くない選択肢」だ。なんてことを思ったり。

2001年宇宙の旅

2001年宇宙の旅2001年宇宙の旅
2001: A Space Odyssey
1968年/アメリカ・イギリス/139分
監督・製作・脚本:スタンリー・キューブリック
原作・脚本:アーサー・C・クラーク
撮影:ジェフリー・アンスワース、ジョン・オルコット
出演:ケア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルヴェスター、ダニエル・リクター、レナード・ロシター、他
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昔、というか10年程前に観た「2001年宇宙の旅」を観よう観ようと何年も思いつつようやく再度鑑賞。

作品の概要・解釈などについては『ウィキペディア(Wikipedia)』の「2001年宇宙の旅」を参照。

作品は他の「フルメタルジャケット」や「博士の異常な愛情」などのキューブリック作品のように「追いつめられる緊張感」が高い作品。

宙に舞ったゴリラ?の骨と宇宙船のジャンプカットや、ラストのあたりの「自分が知覚したもの、そのものになってしまう」ところなどは単にその映像の見せ方のアイデアに脱帽。

「リアルな映像体験」とか書いてある文章なども見かけるが、あれだけゆっくり動くものをワンカットて見せたらリアル以外になることはないと思ってしまうのは自分だけだろうか。

キューブリック監督は美術にもかなり凝っているのでそれだけワンカットにたいする絵画的な価値が高いとは思うのだが、そうなるとなおさらリアルになるのは当たり前にような。

個人的には人類の始まり〜スターチャイルドの誕生までのプロットの展開にもう少しひっかかりがあってシーンを有機的に結合できる契機を見つけられれば、そこから派生させていろいろ考えたりできそうだとは思うが、自分の頭ではなかなか難しいところです。不可解感は好きだが、もう少し分からないとあれこれと考えられない、というか。

マルコヴィッチの穴

マルコヴィッチの穴 DTSコレクターズエディションマルコヴィッチの穴 DTSコレクターズエディション
Being John Malkovich
1999年/アメリカ/112分
製作・監督:スパイク・ジョーンズ
製作総指揮・脚本:チャーリー・カウフマン
撮影:ランス・アコード
出演:ジョン・キューザック、キャメロン・ディアス、キャサリン・キーナー、オーソン・ビーン、メアリー・ケイ・プレイス、W・アール・ブラウン、チャーリー・シーン、ジョン・マルコヴィッチ、他
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監督はビョーク、ケミカル・ブラザーズなどのPVを手がけたスパイク・ジョーンズ。

PV出身の監督はCM出身の映画監督と同様に、人間を映画のなかで魅せる、というよりは映像美にはしってしまうことで、たとえユーモアなどを取り入れていても、人の描き方が表層的になりがちだが、この「マルコヴィッチの穴」はそんな不満を感じさせない作品で思った以上に鑑賞後の満足度が高い作品だった。

それは脚本の出来と、ジョン・キューザックがいい味を出していたことや、ジョン・マルコヴィッチの怪演によるところが大きいように思う。

こんなエロなら女性でも十分楽しめてしまうような作品を作ってしまうところに、PV界出身の大胆さが現れているようにも感じる。

あと気になったのはキャメロン・ディアスの顔。見始めてしばらくは「キャメロン・ディアスに似た女優」だと思っていたが、本人と分かるまでかなりの時間を要したのは、彼女の顔の造形がだいぶ変化している証拠だ。

個人的には「アメリカン・ビュティー」以来、久々に楽しめたコメディー作品だった。この作品は思った以上にファンタジーでティム・バートン監督作品にも通じるよいうな世界観には良い意味で裏切られることになった。

久々に、早く観なかったことが悔やまれる一本。まだ未見の「ヒューマン・ネイチャー」も俄然気になる存在となることに。

カイロの紫のバラ

カイロの紫のバラカイロの紫のバラ
The Purple Rose of Cairo
1985年/アメリカ/82分
監督・脚本:ウディ・アレン
撮影:ゴードン・ウィリス
出演:ミア・ファロー、ジェフ・ダニエルズ、ダニー・アイエロ、エド・ハーマン、ダイアン・ウィースト、ヴァン・ジョンソン、ゾー・コールドウェル、ミロ・オーシャ、ジョン・ウッド、グレン・ヘドリー、マイケル・タッカー、他
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ミア・ファローの魅力全開の映画。

ウディ・アレン監督作品はまだまだ初心者だが、ウディ・アレンの映画に対する愛着や思いを感ぜずにはいられない映画。

おそらく様々な方法で「観ること」「視線」などについての映画を作ることは考えられるが、プロットと登場人物のキャラクターを生かしたまま、それを表現するのはウディ・アレンならではかと。乙女心を大切にする全ての女性に捧げる映画。

ただこの映画「人間ドラマ=主人公の成長が描かれるドラマ」を期待するならばガックリときてしまうるようにも思うが「開き直りの完全自己肯定」的に観ればかなり愉快に鑑賞できる。

ふと思うにこの映画は初期ティム・バートン監督の作風に通ずるように感じるのは私だけだろうか。

ナイト・オン・ザ・プラネット

ナイト・オン・ザ・プラネットナイト・オン・ザ・プラネット
Night on Earth
1991年/アメリカ/119分
監督・製作・脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:フレデリック・エルムス、音楽:トム・ウェイツ
出演:ウィノナ・ライダー、ジーナ・ローランズ、ジャンカルロ・エスポジト、アーミン・ミューラー・スタール、ロージー・ペレズ、イザアック・ド・バンコレ、ベアトリス・ダル、ロベルト・ベニーニ、パオロ・ボナチェリ、マッティ・ペロンパー、他
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最近では「コーヒー&シガレッツ」などが話題になったジム・ジャームッシュ監督作品。

この「ナイト・オン・ザ・プラネット」などはちょうど僕が大学時代に公開されていたような気がする。流行りものというよりは映画史に残るような作家として注目を浴びており、「パーマネント・バケーション」「ダウン・バイ・ロー」「ミステリー・トレイン」など低予算ながら独自のテイストの作品を量産していた記憶がある。

たぶん15年ぶりくらいに観た今回の「ナイト・オン・ザ・プラネット」はプロットなどほとんど見事に忘れていた。「観た瞬間に思い出す」という調子のいい言い訳を思いついたり。

ただ、今回気になったのは何故「ニューヨーク編」と「ロサンジェルス編」のアメリカが2編あるのか。また、それとは別に、改めて観ると最初のウィノナ・ライダー VS ジーナ・ローランズのニューヨーク編が全体を通じて観ると浮いていたように感じる点。

あとヘルシンキは他の都市と比べるとメトロポリタン的な要素に欠けていてこれもどうなんだろう、などと思ったり。ただこの映画は論文などではないので整然とする必要は全くないのではあるのですが。

個人的には「パリ編」のベアトリス・ダルがいいもち味を出していたように感じ印象深い。それとウィノナ・ライダーの「メカぁニック」、ローマ編の「アーソー」の発音が耳に残る。

ジャームッシュ監督はある意味素朴な演出ながら、鑑賞後に温かい気持ちになれ、安心して観続けられる数少ない監督のひとり。

秘密のかけら

秘密のかけら秘密のかけら
Where the Truth Lies
2005年/カナダ・イギリス・アメリカ/108分/R-18
監督・製作・脚本:アトム・エゴヤン
原作:ルパート・ホームズ
音楽:マイケル・ダナ
出演:ケヴィン・ベーコン、コリン・ファース、アリソン・ローマン、ソニヤ・ベネット、レイチェル・ブランチャード、他
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本当に久々に観たハリウッド的なエロティックサスペンス映画。監督はエジプト出身のアトム・エゴヤン。

この「秘密のかけら」映画の製作はカナダ、イギリス、アメリカの合作で、純粋なハリウッド映画ではないようで、そのディープである意味挑発的な暴力や性描写などを観ると、そのエンタテイメント的な映画ながら非ハリウッド的なテイストに「ザ・セル」などを思い出す。作為的ではないにせよ、全編にうっすらといわゆるハリウッド映画ではない雰囲気が漂う少し変わった映画。

あの「フットルース」などのケヴィン・ベーコンがイキイキと演技をしていたのが印象的。25年くらいは経っているように思うが、その間に人間のダークな部分を表現できる独特の低い声の発声法をマスターしたのかと思うと感慨深い。

全体的にサスペンス、エロティック、人間ドラマ、といった要素がミックスされ散りばめられているだけに「盛りだくさん」な印象はあるものの「ココ」といった見所が逆に分かり難い感がある。

ユダヤ人問題のネタも表象的に語られるのみで、事柄としてアピールするというよりはプロットの説明の一つとして置いてあるだけのように見える。

キャッチでは「大胆なエロティックな描写」などとなってしまって、結局そこがウリなのかと思うと少し物足りない感もある。

「秘密のかけら」公式サイト
http://www.himitsu-kakera.jp/

アニー・ホール

アニー・ホールアニー・ホール
Annie Hall
1977年/アメリカ/97分
監督・脚本:ウディ・アレン
撮影: ゴードン・ウィリス
衣装デザイン: ラルフ・ローレン
出演:ウディ・アレン、ダイアン・キートン、トニー・ロバーツ、ポール・サイモン、キャロル・ケイン、シェリー・デュヴァル、クリストファー・ウォーケン、シガーニー・ウィーヴァー、他
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意外にも食わず嫌いだったウディ・アレン監督作品。このブログにリンクを掲載している「Happy pork-chop Strut Revival」さんもお気に入りの一本のようですが、存在を知ってからいざ観るまでに15年くらいかかってしまった。

思ったより「インテリな大人のための恋愛映画」の印象が残る。

出会いのシーンなどの台詞とは別に字幕になっている心理描写のところは、文字を読むのに忙しいが面白い。

意外と印象的だったのは、壁に貼られていたダイアン・キートンが撮ったロブスターとの格闘の写真。この写真は実によく撮れていた。大写しにしないところが玄人心をくすぐるところでもある。

全体的に屁理屈というか情報量の多い作品だが、一度に全てを追うのは難しいからといいって漠然と美術などの画面を見ていると展開が全くわからなくなってしまいそこらへんのさじ加減が私的には難しい映画。

また、全てをキャッチできない程の情報量のでいえばゴダールなどによくみられる「断片的な引用」を思い出すが、ある意味「ウディ・アレン映画の台詞」もそれに近いような気がする。より多くを理解するには観る回数がより必要になる。

あと、この「アニーホール」は恋愛映画のような組み立てにはなっているが、変な違和感は感じてしまう。

恋愛ってある意味心の変化だと思うが、ウディ・アレンの役柄にはそれを感じなかった。ダイアン・キートンの役柄は心の変化を感じれたのでこの映画の主人公は題名が示すように彼女であるような印象も受けるが、どこか腑に落ちない。自分の変化を前提としたような対話が感じられないので、恋愛というよりも、「ウディ・アレンの愉快な生活」というような印象が残る。

ユダヤ人問題に多くふれているからという要素もそう感じさせる要因なのかもしれない。そう、この映画はユダヤ人問題などのたくさんの種類の問題提起というかネタが押し込まれているからひとつのジャンルに収めにくいのかもしれない。だいたいあんまり詰め込もうとするとどのネタもパンチが弱くなるものだが、そこのところは「人間ウディ・アレン」のパワーで押し切ってしまったというところか。

個人的には画作りにはもう少し審美眼を持っていただきたかったが、ウィットに富んだ手法で映画の表現の可能性に挑戦した映画であることは間違いない。

なお、劇中ではマーシャル・マクルーハン役で本人が出演している。また、トルーマン・カポーティは自身のそっくりさん役で出演している。

コーヒー&シガレッツ

コーヒー&シガレッツコーヒー&シガレッツ
Coffee and Cigarettes
2003年/アメリカ/97分
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
出演:ロベルト・ベニーニ、ジョイ・リー、イギー・ポップ、トム・ウェイツ、ジョー・リガーノ、ルネ・フレンチ、E.J.ロドリゲス、ケイト・ブランシェット、メグ・ホワイト、ビル・マーレー、スティーヴ・ブシェミ、スティーヴ・クーガン、他
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独特の「ぬるさ」が特徴の最近のジム・ジャームッシュ監督作品。

この映画を観ると「映画とは何ぞや!!」といった鯱ばった考えが哀れに思えてくるくらい「さらり」と、なぜか観て不満を感じさせない映画となっている。

この映画「コーヒー&シガレッツ」は1986年から11本の短編を「コーヒー(紅茶)とタバコ」というテーマで、かつ、ほぼ同一のカット割りで魅せる連作集。

観ていて面白かったのはマイケル・ウインターボトム監督の「24アワー・パーティー・ピープル」でトニー役を演じたスティーヴ・クーガンが出ている「Cousins? いとこ同士?」。

クーガン氏の胡散臭さが絶妙にその小話に収斂されており、会話のやり取り、というか、その駆け引きがユーモラスで印象深い。

欲をいえば11編の連作のなかで「コーヒーとタバコ」以外の人間の根源的かつ抽象的な、「人生とは何か」というようなヒューマニズム的なものにおさまらないような、一貫したテーマがあって、このようなユーモラスな後味を残せたならば映画史に残る作品になるとは思うけれど、この映画の持ち味と両立しえないかな。

あとこの映画は本国では2003年の製作だが日本公開は05年。仮にこの映画に配給がなかなかつかなかったのかと考えると心苦しくなる。

このモノクロ映画は「単館系」とはいえ「ジャームッシュ監督作品」という名前はあるものの美術館で上映するような芸術ではなく、かといって大ヒットも見込るようなエンタテイメント映画でもない、純=映画が、他の安い志のドラマと比べて「商品」として成立しずらいことは、そんな映画ばかりが好きな私には小さな希望がより小さくなってしまうような気持ちにさせる、なんてことを考えてしまったり。

なお、公式サイトでは9種類の壁紙のダウンロードなどができる。

「コーヒー&シガレッツ」公式サイト
http://coffee-c.com/

セックス調査団

セックス調査団セックス調査団
Investigating Sex
2001年/ドイツ・アメリカ/105分
監督・脚本:アラン・ルドルフ
原作:アンドレ・ブルトン
脚本:マイケル・ヘンリー・ウィルソン
撮影:フロリアン・バルハウス、音楽:ウルフ・スコスベルグ
出演:ダーモット・マローニー、ネーヴ・キャンベル、ニック・ノルティ、ジュリー・デルピー、ジェレミー・デイビス、他
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この映画「セックス調査団」はその題名の為か、ビデオショップでは「エロティックコーナー」に置いておりますが、映像的にはあまり直接的に卑猥な表現のカットはない。

原作は「ナジャ」「シュールレアリズム宣言」などのアンドレ・ブルトンの「性に関する探究」ですが、映画自体がシュールレアリズムな感じなのではなく、近代的な手法でシュルレアリストのディスカッションを映像化した映画。

とはいえ「セックスの探求」について1920~30年代の設定で白熱した議論がされる為、映像的というよりは言葉的には卑猥な表現が多いかもしれない。

ただ、設定が当時のインテリたちの議論、となっている為、セックスも性交(セクシャルインターコース)というような表現になっている。要は「お上品な猥談」になっており、そういう素朴さ、というかひたむきさがお好きな人にとっては他にかえられない作品。第一次大戦直後のフランスの性の倫理観もうかがい知れて面白い。

さらに目を惹いたのは登場している役者陣。

主人公は初見でしたが、ソダーバーグ版の「ソラリス」でいい味を出していたジェレミー・デイビスや、レオス・カラックス監督の「汚れた血」、クシシュトフ・キェシロフスキ監督のトリコロール「白の愛」、ミカ・カウリスマキ監督の「GO!GO! LA」など、僕の好きな小規模映画に数多く出演しているジュリー・デルピーなどが出演していたのには驚いた。

単にピンク的な映画を作る目的でキャスティングされているわけではなく、文芸作品?としての志を感じてしまう。

ただこの映画は2001年の製作のようだが、1930年代くらいの舞台設定とのことで、多少アナクロ的に作ってはいるものの、観ているとどうも1970年代に製作された映画を観ているよう。

監督のアラン・ルドルフは80年代にはジョン・ローン主演の鬼作「モダーンズ」も監督している。

ちなみにこの映画はドイツとアメリカが製作のようですが、劇中の使用言語は英語。個人的にはアンドレ・ブルトン原作ものならば、コテコテのフランス語のものも観たいものです。


「セックス調査団」公式サイト
http://www.albatros-film.com/movie/sex/

軽蔑

軽蔑(デジタルニューマスター版)軽蔑(デジタルニューマスター版)
Le Mepris
1963年/フランス・イタリア・アメリカ/102分
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
原作:アルベルト・モラヴィア
撮影:ラウル・クタール
出演:ミシェル・ピッコリ、ブリジット・バルドー、ジャック・パランス、フリッツ・ラング、他
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観たようなつもりになっていて意外にも観ていなかったゴダールの「軽蔑」を初めて鑑賞。

DVDの特典映像を見ると、1962年頃で100万ドルというゴダールの映画では大きな予算を投入して製作された映画のよう。今のレートでは1億円強だと思いますが、当時では多く3憶くらいということか? この金額はそんなに大規模なのだろうか。

この前観た「パッション」と比べるならば、「パッション」では製作費がないから撮影を続行できない、というような状態も語られていましたが、「軽蔑」では「お金を出した製作者が内容に注文をつける」状態が語られている。

製作年をくらべても、「勝手にしやがれ」以降、比較的お金はあつめられてはいたが、製作者との対立はあった、という状況から、非商業映画を経験してお金そのものを集めることが困難になってしまった状況がうかがい知れる。

製作者との対立から、接触すること事態が困難になってしまったようだ。作中でも「軽蔑」ではジャック・パランス演じる製作者が本編に登場しているが、「パッション」では、確か、資金調達を断られた、という電話や伝聞の形で表現されていた。

それはそうと、こういう、ブリジット・バルドーが意味もなく裸で寝ていたり、物語というかプロットはある程度はっきりたもっていて、かつ、ノイジーなやりとりやカットも含まれているような、ある意味いろいろバランスがとれているようなゴダール映画を好む人ももちろんいるとは思うが、個人的にはどこをとっても中途半端、というか歯切れがよくないような印象も持ってしまう。プロット的にもネチネチとした葛藤は好みではない。

ゴダールが体裁を取り繕う姿はあまり似合わない。ゴダールは突っ走っている時の方が、持ち味を発揮できているような気もする。ただそうすると、興行成績に現れるように、それに共感する人はほとんどいないので資金調達など、映画を成立させるための要素が欠けてしまうのはある意味悲劇だ。現実はそういうものなのだろうが。

白昼の幻想

白昼の幻想白昼の幻想
The Trip
1967年/アメリカ/79分
監督・製作:ロジャー・コーマン
脚本:ジャック・ニコルソン
撮影:アーチ・R・ダルゼル
出演:ピーター・フォンダ、デニス・ホッパー、ブルース・ダーン、スーザン・ストラスバーグ、ルアナ・アンダース、他
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「若手CM監督が実際にLSDをやってみる」というだけの話のアメリカン・ニューシネマ。

DVDの特典映像によると、監督のロジャー・コーマンは、撮影前に数名のスタッフと交代で実際にLSDを体験したいたよう。

脚本はジャック・ニコルソン、主演はピーター・ドンダ。他にデニス・ホッパー出演しており、2年後の「イージー・ライダー」の布石となった記念碑的映画。

今観て目を惹くのは、「60年代後半」という時代の空気や勢いと当時の最新の視覚効果。

限られた予算、時間の中での、照明や撮影監督や編集などのスタッフの知恵と努力がにじみ出ていて好印象。

照明がトグロを巻いているピーター・フォンダのベッドシーンはISO(ASA)50のフィルムで撮影したものを4倍に増感しているようです。

こういう制作費的にB級映画は、今の日本なら、ピンク映画やVシネに変換可能なはずだと思うのですが、この映画のような「みずみずしさ」のある映画は自主映画からでてくるのかもしれません。

フルメタル・ジャケット

フルメタル・ジャケットフルメタル・ジャケット
Full Metal Jacket
1987年/アメリカ/116分
監督・脚本:スタンリー・キューブリック
原作・脚本:グスタフ・ハスフォード
撮影:ダグラス・ミルサム
音楽:アビゲイル・ミード
出演:マシュー・モディーン、アダム・ボールドウィン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、ドリアン・ヘアウッド、他
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「フルメタルジャケット」はこれでたぶん3度目となる鑑賞。

回を増すことに冷静に観れるようになってくるとは思うが、退屈に感じないばかりか、新たな発見もあるように思い、自分の状況や考え方の変化も感じられ刺激的な映画。

最初はただ衝撃を受け、前回は映画の構成が気になり、今回はこの作品が表現している表象が気になった。

一般的に「ベトナム反戦映画」の一本とされるが、キューブリックは過去の「突撃」においてもあからさまに「戦争反対」を作中で謳ったりはしない。

アレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」などのように、戦争の当事者・主人公に対して扇情的に描くようなことはしない。

被害者も加害者も同等の価値で登場する。このストイシズム的ともいえる客観的な描写により、この映画を真剣に観るものは撃たれることになる。

ドキュメンタリーでもないにも関わらず、ある意味、ドキュメンタリー以上に、客観的に描写されると、観るものは結果的に、その観点、倫理観を問われることとなる。

自分の存在に関する倫理観。こんなことは死ぬまで考えることはない人も大勢いるだろうが、世界はこの倫理観の上になりたっている。

この「前提のない思考」は観るものに困惑や恐怖を与えかねないが、抜本的に問うためにはまさに必要不可欠な作用である。

チープなシシリズムを強要されることに比べたら、このカタルシスは他と比類がない。

全く稀有な映画だ。

アメリカン・ビューティー

アメリカン・ビューティーアメリカン・ビューティー
American Beauty
1999年/アメリカ/109分
監督:サム・メンデス
脚本:アラン・ポール
撮影:コンラッド・L・ホール
音楽:トーマス・ニューマン
出演:ケヴィン・スペイシー、アネット・ベニング、ゾーラ・バーチ、ウェス・ベントリー、ミーナ・スヴァーリ、他
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とっても好きな映画の割には、意外に何度も観た記憶のない「アメリカン・ビューティー」を久々に鑑賞。

一度じっくりと観た映画でもプロットをすっかり忘れてしまう幸福な性格? が幸いして初見のようにゲラゲラと楽しんでしまった。

今回観て思ったのは特にシーンの切り替えのカットのうまさ。

自分で撮るときは予定調和、というか、つじつまあわせを脱したいと思いながらできない場合が多いのですが、この映画では、シーンの頭で笑ってしまうことが多かった。ケビン・スペイシーがはっぱをやりながら車の運転をしていたシーンなんかでは、こんなに大声を出している自分にびっくりするぐらい笑ってしまった。

あと、この「アメリカン・ビューティー」を観て以来、街中でビニール袋が風に舞っているのをみると「あぁ、ビューティー」と、つい思うようになった。

ブラックユーモア、というかアイロニー好きで、ケビン・スペイシーの演技が生理的に嫌でないならば、かなり楽しめる1本。さまざまな人々の持つ微妙な閉塞感を絶妙に表現している。


アマデウス

アマデウス ディレクターズカット スペシャル・エディションアマデウス ディレクターズカット スペシャル・エディション
AMADEUS DIRECTER'S CUT
2002年/アメリカ/180分
監督:ミロス・フォアマン
原作・脚本:ピーター・シェーファー
出演:F・マーレイ・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ、ロイ・ドートリス、サイモン・キャロウ、他
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「勝手にミロス・フォアマン映画際 第2弾」として「アマデウス」をたぶん10数年ぶりに鑑賞。

といっても、今回ディレクターズカット版は初めて観たのですが、プロデューサー版? と比べて40数分間分のシーンが追加されている。

スティーブン・ソダーバーグ監督の「ソラリス」が劇場版が100分程に対して、現在お蔵入りになっているディレクターズカット版は200分程あるらしい。劇場版では、ソラリス自体に関わるシーンをおそらくすべてカットしてあるので「作品として別物」になっていると思われる。

「アマデウス」はそれほど衝撃的にではないけれども、サリエリの人間性の描写などでの40分は作品に大きな影響を及ぼしていると思う。

あと劇中の使用言語ですが、設定として英語を話せる人は一人もいなかったはずだが、みごとに全員英語を話していたし、オペラ部分も英語の歌詞になっているところさえあったのは、以前はあまり気にならなかったけれど今回は「ん?」と思ってしまった。

でも篠田正浩監督の「スパイゾルゲ」のような嫌な感じはなかった。それはおそらく、チェコ人のミロス・フォアマン監督にたいする敬意のようなものなのかもしれない。

金銭や能力の無さから英語でやるのではなく、政治的な理由で英語を習得することとなったフォアマン監督は、自分がそうであったように、母語でない言語を獲得しようとしているような気がする。

ちょうど、前述のアゴタ・クリストフが母語でないフランス語で作品を書いていたように。(「風の痛み」は何故かおそらくイタリア語だが。)

鑑賞中、何度となく「あぁ~サリエリ」と思うこと数限りなし。

以前観たときより仕事や金銭のことが気になったように思うのは、その部分に関してシビアになったということだろうか。

カッコーの巣の上で

カッコーの巣の上でカッコーの巣の上で
One Flew Over The Cuckoo's Nest
1975年/アメリカ/129分
監督:ミロス・フォアマン
原作:ケン・キージー
脚本:ローレンス・ホーベン、ボー・ゴールドマン
撮影:ハスケル・ウェクスラー
出演:ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、マイケル・ベリーマン、ブラッド・ドゥーリフ、他
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「勝手にミロス・フォアマン映画祭」第1弾として、「カッコーの巣の上で」を鑑賞。

ミロス・フォアマン監督は両親をゲシュタポによって亡くしたチェコスロバキア人ですが、自国の政治不安を理由に、結果的には1960年代後半にアメリカに亡命している。

チェコ時代には「火事だよ! カワイ子ちゃん」(日本未公開)「ブロンドの恋」などの「チェコヌーベルバーグ」と呼ばれる作品を監督しているが、世界にその名を知らしめたのはこの作品「カッコーの巣の上で」で当時のアカデミー賞を総なめにした頃からだろう。

チェコ時代は自主制作のような形で映画を製作していたが、アメリカに渡ってからは「アマデウス」など、比較的重いテーマの大きなバジェットの作品の監督を務めている。

以前観たはずの「カッコーの巣の上で」ですが、あまりの名作っぷりに、かなり以前に観たか、映画の本などで読んでいただけか判別できないまま鑑賞。

こういう映画のスタイルは昨今は流行らないと思いますが、良質の映画であることは間違いない。こういう物言いもどうかとは思いますが、この映画を観て何も感じるところがないような人と、僕は何も話をする必要はないだろうなとも思う1本。

監督のミロス・フォアマン曰くにジャック・ニコルソンは地を活かして演技していた、というか、ジャック・ニコルソン本人がそこにいた程ハマリ役だったようで、その後の彼の作品をみても凄いけれど「たんに変な人」感があるのは否めないかもしれない。眠りっぱなし・・・。

製作に関わったマイケル・ダグラスなど、この作品を経験した人々の多くがその後大活躍していることからもわかるように、監督、製作、脚本、出演者、その他もろもろの状況等がうまくまとまった、ある意味奇跡的な映画。

ソラリス

ソラリス <特別編>ソラリス <特別編>
Solaris
2002年/アメリカ/99分
監督・脚本:スティーブン・ソダーバーグ
製作:ジェームズ・キャメロン、他
原作:スタニスワフ・レム
撮影:ピーター・アンドリュース
出演:ジョージ・クルーニー、ジェレミー・デイビス、ナターシャ・マケルホーン、ヴィオラ・デイヴィス、ウルリッヒ・トゥクール、他
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今回でこの計作品5回目の鑑賞。ブログの記録を見ると前観たのはちょうど一年前。

そもそもこの作品「大人の恋愛映画」と謳って宣伝していましたが、そもそも「恋愛映画」として成立しているのだかとても疑わしい。そんなふうに感じる映画は思えば少なく、そういうことを考えること自体、この映画を楽しんだことにはなるのですが。

この作品「10年に1度の作品」なんでしょうか。
どうなんでしょうね。

180分のディレクターズカット版がもし出るなら期待大です。

GO! GO! L.A.

GO! GO! L.A. デラックス版GO! GO! L.A. デラックス版
L.A. Without a Map
1998年/イギリス・フランス・フィンランド・アメリカ/107分
監督・脚本:ミカ・カウリスマキ
原作・脚本:リチャード・レイナー
撮影:ミシェル・アマテュー
出演:デビッド・テナント、ヴィネッサ・ショウ、ヴィンセント・ギャロ、ジュリー・デルピー、ジョニー・デップ、他
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ついに観れました。たしか5年くらい前にユーロスペースなどでアキ・カウリスマキ特集などをやっていた時から、ミカ・カウリスマキの作品も観たいと思っていたのですが、何故か延び延びになってしまっていました。

イギリス、フィンランド、フランス、アメリカといった国々のスタッフ・キャストらによる国際色豊かな青春ラブコメディー。

チラシ(ジャケット)ではヴィンセント・ギャロとジェリー・デルピーが大写しになっていたのでもっと出演時間が長いのかと思っていましたが、ジョニー・デップ等含めたベテランが脇をかため、それ程国際的には知名度のない2人が主演でした。それぞれの役者はいい味を出していてうまく融合している感が強かった。

アキもそうかもしれませんが、おそらくミカは現場でも淡々と演出を付けていそうで、日本では黒沢清監督などもそうですが、変な気負い、のような空気ではなく、真剣なかつ穏やか雰囲気が画面から伝わってきて心地よい映画でした。

あまりこいうことはないはずなのですが、われしらず笑い声がもれてしまっていたようです。


■ミカ・カウリスマキ公式サイト
http://mikakaurismaki.com/

ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンスヒストリー・オブ・バイオレンス
A HISTORY OF VIOLENCE
2005年/アメリカ/96分/R-15
監督・製作:デヴィッド・クローネンバーグ
脚本:ジョシュ・オルソン
撮影: ピーター・サシツキー
音楽:ハワード・ショア
出演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、ウィリアム・ハート、他
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良質な映画でした。製作はNEW LINE CINEMA ですが、絵図らなど、とても低予算で作られていました。ちょうど、ホラーなどのエンタテイメントではない、日本映画のそれに近い感じのバジェットだったように思う。

テアトル新宿では先週から2週間のみのロードショーですが、土曜の19:30〜の回で20〜30人しかお客さんが入っていなかったのは、想像していたけれど「興行的に大丈夫なのかなぁ」と心配になってしまう。クローネンバーグ作品なら全国のツタヤで1本くらいは置かれるだろうから大丈夫なのだろうか。

原作は読んでいませんがこの映画、2005年度のアカデミー脚色賞にノミネートされていました。脚本の組み立て、構成がしっかりしていて見終えても、ストイックまでに無駄のない感じ=しかるべきカットがしかるべき場所にある感じ、がしました。

これぐらいテーマに対して構成のしかっりした映画を撮ってみたいものです。派手にお金をかけている作品ではないだけに、励みになります。

デヴィッド・クローネンバーグといえば「ザ・フライ」「裸のランチ」などが有名ですが、この作品はサスペンス的な力で魅せていく部分は大きいですが、暴力って…、というテーマと、家族、愛、などが絡み合っていて、「クローネンバーグなのに人間ドラマ?」というところに食いついてしまう。

でも、そんなヒューマンドラマ的な雰囲気をかもしだしながらも、頭を打ち抜かれた人間の描写などでは一目で「あっ、クローネンバーグ」とわかってしまうほど頑張ってしまっていたところなどは微笑ましくなってしまう。


冒頭の音楽が印象的なこの作品、その音楽は、下記公式サイトのBGMとして使われている。
さらに、そこでは「普段の生活から、彼・夫の信頼度をこっそりチェック!」することもできる。


■公式サイト
http://www.hov.jp/

愛の神、エロス

愛の神、エロス愛の神、エロス
eros
2004年/109分
フランス・アメリカ・イタリア・中国
監督:ウォン・カーウァイ、スティーヴン・ソダーバーグ、ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:コン・リー、チャン・チェン、アラン・アーキン、ロバート・ダウニー・Jr、他
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カンヌを沸かせた3人の監督たちが「エロス」をテーマにした約30分の作品を集めたオムニパス映画。

ソダーバーグ監督のフィルムノワール調の作品やアントニオーニ監督の感覚的な作品も好きですが、何んと言っても1本目のウォン・カーワァイ監督の作品の出来が素晴らしかった。

30分程の「ショートフィルム=短編」だとプロットを説明するための段取的な映像に追われてしまい、長編作品と比べると、心のやわらかいところに届くようなところまでいかない、印象があったのですが、このウォン・カーワァイ監督の作品は見事に僕の予想を裏切った。

テーマは「接触」でしたが、娼婦に恋をした仕立て屋の切実な想いが現れ出ていて思わず熱くなってしまった。
単にこういう話が好きというわけではないとは思うのですが…。

この作品の撮影は、当時脅威をふるっていた感染症「SARS」で緊張状態にあった中国で撮影されたとのこと。

そういう状況で「接触」をテーマにしたこの作品は役者スタッフともども「マスク・ゴム手袋」などしながらの撮影だったようです。映像の中にある緊迫感はそういう現場の緊張感のような気がします。

ショートものでもやればすばらしいものができることを気づかせてくれた作品。
今年の短編部門でのNo.1です。


■公式サイト
http://www.ainokami-eros.com/

シモーヌ

シモーヌ デラックス版シモーヌ デラックス版
S1MONE
2002年/アメリカ/117分
監督・製作・脚本:アンドリュー・ニコル
撮影:エドワード・ラックマン、デレク・グローヴァー
出演:アル・パチーノ、レイチェル・ロバーツ、ウィノナ・ライダー、キャサリン・キーナー、エヴァン・レイチェル・ウッド、他
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「ガタカ」の監督、「ターミナル」の製作総指揮・原案などの、アンドリュー・ニコル監督の一風変わったヒューマンSFドラマ。この作品で「美のイコン」のような役・シモーヌを演じたレイチェル・ロバーツは実妻。

いろいろ気づかないこととして観なければいけないプロット上の基本設定があり、「それに気づかないフリをするのはちょっと…」と思ってしまう脚本。一応近未来SFものなので致しかたない部分はあると思うのですが、「お金で解決できない部分としてこんなこともあるのか」と思えたのはある意味新鮮。

主演のアル・パチーノの熱演が光ります。彼の役名は「タランスキー」なのですが、「タランティーノ+ポランスキー」? と思ってしますのは安直でしょうか。

アンドリュー・ニコル監督のちょっと変わった異色作。


■オフィシャルサイト
http://www.s1m0ne.com/

ラスベガスをやっつけろ

ラスベガスをやっつけろラスベガスをやっつけろ
Fear and Loathing in Las Vegas
1998年/アメリカ /118分
監督・脚本:テリー・ギリアム
原作:ハンター・エス・トンプソン
撮影:ニコラ・ペコリーニ
出演:ジョニー・デップ、ベニチオ・デル・トロ、キャメロン・ディアス、クリスティーナ・リッチ、トビー・マグワイア、他
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まだ観てはいませんが、最近は「ブラザーズ・グリム」「ロスト・イン・ラ・マンチャ 」などで話題のテリー・ギリアム監督の70年代テイストの溢れるサイキックムービー。

封切り時に、何の事前情報なしに、たしかシネスイッチ銀座にふらりと観にいってジョニー・デップに似ている人とベニチオ・デル・トロに似ている人が出ていたけど。

2000年間近の作品のはずだけれど、70年代に撮影してお蔵入りになっていたものの上映? どこか聴いたことがあるようなギターだとはおもっていましたが、クレジットにHOTEI Tomoyasuと出ていてビックリ、だってテリー・ギリアム監督の作品だよ。といったところが初見の印象。

上記の2人に加え、キャメロン・ディアス 、クリスティーナ・リッチまでもが以外な役で出演しており、ギリアム監督の人気っぷりがうかがえる。

苦手な人は駄目かもしれませんが、とても「自由」を感じる作品。突き抜けた開放感があります。
自由に撮っていても、観てそう感じる作品はめったにありません。貴重な作品です。

ガタカ

ガタカ [SUPERBIT(TM)]ガタカ [SUPERBIT(TM)]
Gattaca
1997年/アメリカ/106分
監督・脚本:アンドリュー・ニコル
撮影:スワヴォミル・イジャック
音楽:マイケル ナイマン
出演:イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ、他
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数年ぶりに久しぶりの鑑賞。以前観たときから「いい映画だった」ということしか思い出せなかったが、いざ観始めると瞬時に思い出すシーンが多かったが、弟とのやりとりは思いのほかすっかり忘れてしまっていた。

この映画、ツタヤなどでは「SF」の棚にあることが多いですが、画的には地上ばかり映っています。「さほど遠くない未来の話」という意味ではSFなのですが、観ているときに感じるのは「ミステリー」的な緊張感が多いので、「SFミステリー」というちょっと変わったジャンルの映画になるかと思う。

アカデミー美術賞ノミネートのこの作品、美術(小道具)などはとくにスタイリッシュで観ていて気持ちがよい。イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウの身のこなしもとてもクール。「テープ」で競演していたイーサン、ユマ元夫妻を思い出します。あと、ランニングマシーンでのイーサンにはつい笑ってしまいました。

「緊張」があると、ある点で「笑い」に転化するが、それを思うようにコントロールして表現するのんは難しい。シーンのつながりの中で生まれる緊張感もあるし、許容範囲も個人差があるはずだし。でもどこかにそのポイントは確実に有るようにも思う。

この映画の成功を皮切りにニュージーランド出身のアンドリュー・ニコル監督は「ターミナル」(原作・製作総指揮)など数々の話題作の製作に関わることになりますが、脚本の完成度も高い作品。

サスペンス的なエンタテイメントでありながら「生命の倫理とは?」等々観ているものに疑問を投げかける。

こんな映画を観ると、自分の書く拙い出来の脚本が恥ずかしく思ったりもします。

大いなる遺産

大いなる遺産大いなる遺産
Great Expectations
1997年/アメリカ/110分
監督:アルフォンソ・クアロン
原作:チャールズ・ディケンズ
出演:イーサン・ホーク、グウィネス・パルトロウ、ロバート・デ・ニーロ、他
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始めからどうも「寓話的」と思っていたら、オリジナル脚本の映画ではなかった。というより、読んだことはないが、ディケンズ原作で、少なくとも映画化は3回目の作品だった。

2作目は今回のグウィネス・パルトロウの役を「愛の嵐」、最近は「まぼろし」「スイミングプール」などで活躍の場を広げているシャーロット・ランプリングが演じていたよう。

結局、脚本や役者の好き嫌い次第、と言う意味で「演劇的」な映画だったと思いますが、イーサン・ホークのファンとしては楽しめた1本でした。ロバート・デニーロなどもハマリ役だった。

予言者めいたあの老婆は思い返せば数年前に他界した、初期マトリックスにも出演していた役者と似ているように感じた。単に役柄が似ていただけかもしれませんが。

テープ

テープテープ
Tape
2001年/アメリカ/87分
監督:リチャード・リンクレイター
原作・脚本:ステファン・ベルバー
撮影:マリーズ・アルバルティ
出演:イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ロバート・ショーン・レナード、他
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「恋人たちのディスタンス」で野心的な恋愛映画を撮り、ベネチアを制したリチャード・リンクレイター監督のDVに見えないDV作品。

撮影カメラはPD-150を使用した模様ですが、ただ撮っただけではあの画はだせないので編集作業で何かしているはず。

スポンサーなしで16ミリフィルムで長編を撮ろうとすると莫大な制作費がかかる事を考えると、どうすればあれくらいの画が撮れるのかとても興味深い。最近はパナソニックADX-100?などは24コマ・映画モードでフィルムっぽい映像が撮れるようですが、ハイビジョンを比べてしまうとソースの弱さ?が気にならずにはいられない。でもハイビジョンのDTVはもう少し待ちかな。

さて、映画ですが、かつて「今を生きる」でナイーブな少年を演じていたイーサン・ホークとその実の妻、ユマ・サーマン、そして同じく「今を生きる」で早まって自殺を遂げてしまったロバート・ショーン・レナード、3人の密室劇。

低予算、少人数のクルーで撮影したこの作品は完成度の高い自主映画、小演劇のよう。フォーマット的にも「DVでもこれくらいのことができる可能性がある」とリアルに感じられるので「映画を撮ろう」とする私にとって、手のとどくバジェット・機材で「これだけできる」と感じれるのは、作品の内容の好き嫌いにかかわらず、大きな励みになる作品でした。

ハンバーガー・ヒル

ハンバーガー・ヒルハンバーガー・ヒル
Hamburger Hill
1987年/アメリカ/110分
製作・脚本:ジム カラバトソス
監督:ジョン・アーヴィン
製作・脚本:ジム・カラバトソス
撮影:ピーター・マクドナルド
出演:アンソニー・バリル、マイケル・ボートマン ドン、他
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スタンリー・キューブリック監督の「フルメタルジャケット」、オリバー・ストーン監督の「プラトーン」とともに話題になった「ベトナム戦争映画」。上記の2作品と比べると「保守的」というか「右翼的」な臭いのぷんぷんする映画だった。キューブリックと比べると「同じ題材でも監督が変われば作品はこうも変わる」例として代表的な作品な気がする。

たぶんというか間違いなく、作る側はとてもまじめに、恐らく命の危険を冒しながらこの作品を製作したに違いないが、「映画好き」としてはとても「予定調和」な展開を裏切ってくれるような期待感を抱かせない映画だった。こういう作品がジャンルの中に1つはあるべきだとは思うが、どうも礼賛したい気持にならないのは、自分の視野が狭いからなのだろうか、などと考えてしまう。

こういう映画を観ると頻繁に戦争を起こすアメリカって「人騒がせ」だ、と思う。とはいえ「おさわがせしてすみません」なんて気持はこれっぽっちも感じません。そうじゃない人もたくさんいるとは思うのですが…。

愛の嵐

愛の嵐-無修正ノーカット完全版-愛の嵐-無修正ノーカット完全版-
Il Portiere di notte
1973年/イタリア・アメリカ/117分
監督・脚本:リリアーナ・カバーニ
撮影:アルフィオ・コンティーニ
出演:ダーク・ボガート、シャーロット・ランプリング、フィリップ・ルロワ、イザ・ミランダ、他
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大学時代に新宿のゴールデン街のある店にこの映画のポスターが貼ってあるのを見て以来、12年越しにようやく鑑賞できた。最近はこういうセレクトが多い。。

「ベニスに死す」のダーク・ボガード、最近では「スイミングプール」「まぼろし」のシャーロット・ランプリング、主演。ちなみに彼女は大島渚の「マックス・モナムール」にも主演したはず。

「愛の嵐」はランプリングの「体当たりの演技に脱帽」といったところか。

作中でも数年の経過が感じられ、撮ることを考えると、撮影は数年間に及んだ、というか、途中で頓挫しそうになったはず、で結果的に完成した作品は役者の年輪を感じさせる程のスケールの大きい作品になっていると思う。

ポスターやチラシになっているカットも実際の本編に使用されているものだが、見終えた後の印象は、そいういキャッチーなものというより、地味、デカダン、な印象が強いように思う。

ソラリス

ソラリス <特別編>ソラリス <特別編>
Solaris
2002年/アメリカ/99分
監督・脚本:スティーブン・ソダーバーグ
製作:ジェームズ・キャメロン、他
原作:スタニスワフ・レム
撮影:ピーター・アンドリュース
出演:ジョージ・クルーニー、ジェレミー・デイビス、ナターシャ・マケルホーン、ヴィオラ・デイヴィス、ウルリッヒ・トゥクール、他
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観るのは今回でたぶん4回目になります。初見では音楽の印象が強く、未だにタルコフスキー版や原作に目を通していない自分にとっては心地のよく合点と不可解の間をさまよい続けています。

省略が多く分かりそうでわからない、でも違和感はない。というような感覚。これが余韻なのか?

DVDをコメンタリーで観ていたら、たしか粗編集が終わった段階では完成品の3倍も尺があり、もともとこの映画版権をもっていた、製作のジェームス・キャメロンに「もっと切れ」みたいなことを言われ、現在の尺になったようだが、完成品を観たキャメロンは「切り過ぎだ」と思ったそうで、これくらいのバジェットの作品で1/3って演出の転換では? とも思うのですが、ソダーバーグ監督のストイックというか贅沢な編集を感じます。

画は全体的にスタティックで安定感のあるものが積み重ねあげられとても完成度が高い。

ストーリーはあやういと言えばかなりあやういように思いますが、僕には好印象で、「違うもの」と言われているけれど、タルコフスキー版も早く観たくなってしました。

それにしてもこの映画の音楽、素晴らしい。

ペイチェック 消された記憶

ペイチェック 消された記憶ペイチェック 消された記憶
PAYCHECK
2003年/アメリカ/118分
監督・製作:ジョン・ウー
原作:フィリップ・K・ディック
脚本:ディーン・ジョーガリス
撮影:ジェフリー・L・キンボール
出演:ベン・アフレック、アーロン・エッカート、ユマ・サーマン、他
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ユマ・サーマンが出演しているとのことで鑑賞。監督は「男たちの挽歌」「ミッション・インポシブル」などハリウッドでも商業的成功を収めたジョン・ウー。

主演はベン・アフレック。彼の出演作は初めて見たのですが、「軽いけどいい奴でまじめ」な性格、ハリウッド的?がハマっていたように思う。

それと比べると、ユマ・サーマンの方は、本人の意向ではないようだが、一連のタランティーノ作品の影響で、アクション俳優、のようなイメージも強いせいか、その部分は活かされていたと思う。

個人的には、夫のイーサン・ホークと競演したリチャード・リンクレイターのDV作品「テープ」などの「しっとりとした演技」が好みなのですが。

それにしても「キル・ビル2」あたりから「バロン」の貝殻から生まれたての姿の彼女とのギャップをとても感じてしまうのは私だけだろうか? 「パルプ・フィクション」の頃の彼女とね。

ブラウン・バニー

ブラウン・バニーブラウン・バニー
The Brown Bunny
2003年/アメリカ・日本/90分
監督・製作・脚本・撮影・美術・編集・衣装:ヴィンセント・ギャロ
音楽:ゴードン・ライトフット
出演:ヴィンセント・ギャロ、クロエ・セヴィニー
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ロードショーを観に行った友達が「イマイチ」というようなことを言っていたのですが、ヴィンセント・ギャロの自主映画のノリのロードムービーのようだった。

クロエ・セヴィニーとのフェラチオからの口内射精にはちょっとびっくりしましたが、ヴィンセント・ギャロが主演で監督ならこんな映画も成立するのかなぁ、という感じです。日本ではモザイク処理が大きく入りますが、海外ではそれこそモロだしになると思うのでどうなんでしょう。

構成や語り口などが斬新というわけではないと思う。ヴィンセント・ギャロが好きは人にはいいのだろうか。「バッファロー’66」の驚きにはかなわなかったが、嫌いな作風ではない、というかロードムービーが単に好きということなのか。。

ビッグ・フィッシュ

ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディションビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション
Big Fish
2003年/アメリカ/125分
監督:ティム・バートン
原作:ダニエル・ウォレス
脚本:ジョン・オーガスト
撮影:フィリップ・ルースロ
出演:ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター、スティーヴ・ブシェミ、他
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まず、あのティム・バートンが「物語」を描いている! とプロットの予想外に真面目な展開に驚きましたが、DVDの特典映像を観ると、考えてみると彼も「いっぱしの大人」の年齢になっているのでしょうか。たしかにファンタジーを前面にだした作風も何度もやれば飽きるような気もします。

この作品の魅力は出演者のユアン・マクレガーや監督のティム・バートンも言っていましたが、ティム・バートン的なファンタジーを損なうことなく「物語」を描いていること。

いわゆるファンタジーの部分でも全くありえない絵空事ではなく、どこか物語の中で現実味を帯びていて、同じ物事を描いた映像でも、現実的な側面と、非現実的(ファンタジック)な側面からの両方からのアプローチがあると、表現として豊なものになるところにあるように思う。

どちらかといえばファンタジックな表現のほうが他の映画監督と比べても表現として抜きに出ているとは思いますが。

ロスト・イン・トランスレーション

ロスト・イン・トランスレーションロスト・イン・トランスレーション
Lost In Translation
2003年/アメリカ・日本/102分
監督・製作・脚本:ソフィア・コッポラ
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ
撮影:ランス・アコード
出演:ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、他
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ようやく「ロスト・イン・トランスレーション」を観ました。どうなんでしょうね。この映画は。

ソフィア・コッポラものは初めてなのですが、後味としては、煮え切らない、感が大きいですな。「ロスト」してしまっているから仕方のないこのなのかもしれませんが。

プロットをふまえると、画の積み上げ方がCMっぽく感じられたのは僕だけだろうか?
日本を題材にした海外の映画、というと、ヴェンダースの『東京画』を思い出します。
音楽に頼りすぎているからCMっぽいようにも思うのだけれど、僕の好きな曲が数曲使われていて、ちょっといい気分になってしまいました。

インディペンデントな臭いは好きなのですが、邦画で言うと、リアルっぽいファンタジー、というとこでは岩井俊二の映画などを思い出しました。

あと、ヨハンソンのエロのない肌の露出には、男心をくすぐられてしまいました、
そこらへんはソフィアのなせる技なのか。

ソフィアのお兄さんの『CQ』もそう思ったのですが、小規模なわりにはカチッとしている、というか、はみだしていない、というか、ちゃんとしている感があるのは、コッポラ一族特有のものなのか。

ゴースト・ワールド

ゴーストワールドゴーストワールド
Ghost World
2001年/アメリカ/111分
監督・脚本:テリー・ツワイゴフ
製作:リアンヌ・ハルフォン、ジョン・マルコヴィッチ、ラッセル・スミス
原作・脚本: ダニエル・クロウズ、撮影:アフォンソ・ビアト
出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロ、他
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プロットとしてスティーブ・ブジェミとソーラ・バーチがあれほどメインになるとは思っていなかったので、というか、2人の女の子、の話だと思ったので、展開は以外なものだった。

全体的にロードムービー並にダラダラした展開ではありましたが、自分的には出てくる人がみなどこか、駄目な感じ、を抱えていて、そのことに対して開放的な雰囲気があったのがよかったです。

あたたかい感じというか。

関係ないけど、ソーラ・バーチとスカーレット・ヨハンソンだったならばサシならソーラ・バーチ、大人数だったらスカーレット・ヨハンソンが楽しめそうだ。

イン・ザ・カット

イン・ザ・カットイン・ザ・カット
In The Cut
2003年/アメリカ/119分/R-15
監督・脚本:ジェーン・カンピオン
製作: ニコール・キッドマン、 ローリー・パーカー
原作:スザンナ・ムーア「イン・ザ・カット」ハヤカワ文庫
出演:メグ・ライアン、ケヴィン・ベーコン、マーク・ラファロ、 ジェニファー・ジェイソン・リー、他
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「イン・ザ・カット」良かったです。「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオンが監督。製作にニコール・キッドマンが参加。主演はメグ・ライアン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ。

起伏がないといえばないのだけれど、観せ方がうまい、というか、視線が女性的だから新鮮ということなのか、いいものを観て得をしたような気になってしまいました。ヨーロッパ的アメリカ映画、というか、アメリカインディーズというか。

地元のツタヤでは新作DVDにもかかわらずほとんど手付かずで借りられていなかったんだ。「ソラリス」もそうだったんだけど、「いい映画」だと思うけど地味なのかな。

ケン パーク

ケン パーク スペシャル・エディションケン パーク スペシャル・エディション
Ken Park
2002年/アメリカ・オランダ・フランス/96分/R-18
監督・撮影:ラリー・クラーク、 エド・ラックマン
脚本:ハーモニー・コリン
出演:ジェームズ ランソン、ティファニー・ライモス、スティーヴン・ジャッソ、他
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勢いのある性春映画。寺山修司の「トマトケチャップ皇帝」程ではないが、「この映画に出演している少年少女はその後ちゃんと大人になれたのだろうか?」と心配したくなる映画。そういう意味で目が離せない。

作中のエピソードが逐一「エロ」く逆に清清しささえ感じるようになるのが不思議。

付録映像にはたしか「モントリオール映画祭」出品時の映像が入っていたが、「小ぶり」な映画ながらインパクトは大きい映画だったよう。

地獄の黙示録

地獄の黙示録 特別完全版地獄の黙示録 特別完全版
Apocalypse Now Redux
2001年(1979年)/アメリカ/203分(153分)
監督:フランシス・F.コッポラ
脚本:ジョン・ミリアス
音楽:カーマイン・コッポラ
出演:マーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュバル、ハリソン・フォード、デニス・ホッパー、他
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映画史に残る名作。コッポラの作品は「ゴット・ファーザー」シリーズが世界的な成功を収めその収益などを基に、「大きなお金」を投じて製作されたが、興行的には大失敗に終わったようだ。

が、日本でもたくさんのそれを扱うWebサイトがあるように、玄人受けがいい、というかディープなファンに根強い人気を誇る。

マーロン・ブランドもそうだが、若かりし頃のマーティン・シーンの演技は特に印象深い。

途中の河をくだるシーンで、「この映画はいったいいつまで河をくだるのだろう」と不安になったところがあったが、その感覚は思った以上にとても新鮮なものだった。

エレファント

エレファント デラックス版エレファント デラックス版
Elephant
2003年/アメリカ/81分
監督・脚本・編集:ガス・ヴァン・サント
製作総指揮:ダイアン・キートン 、ビル・ロビンソン
撮影:ハリス・サヴィデス
出演:ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト、エリック・デューレン、他
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昨日、「エレファント」観ました。なかなかでした。特に構成が面白い。「ドラッグストアカウボーイ」のガス・ヴァン・サント監督作品。

もんくがつけずらい、というか、全体的には自主映画っぽいく、エンタテイメント性がない感じで社会的で真面目な作品なのかな。

映画を観終えると、「銃撃事件」について漠然とした気持を各々持ち帰ることになる、というか。

日曜の夜からの回だったのですが、劇場はガラガラ。これから映画は封切りしてしばらくたった日曜の夕方だな。でも、明日、仕事の初日を迎える人が観る映画ではなかったような気も。

ソード・フィッシュ

ソードフィッシュ 特別版ソードフィッシュ 特別版
Swordfish
2001年/アメリカ/99分
製作:ジョエル・シルバー
監督:ドミニク・セナ
脚本:スキップ・ウッズ、歌:マドンナ
出演:ジョン・トラボルタ、ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、ドン・チードル、ヴィニー・ジョーンズ
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「SWORDFISH」(2度目)を観ました。 ポップコーン映画ではあるのですが、構成というか、「アクション」や「人間」ではないところの見せ方、が特に巧みで、これって表層的ではある(感動しない)けれども、時間芸術として映画的ではあるのかな、などと自問自答。ハル・ベリーがとてもキュート。音楽はたしか underworld などが参加していたような。

こういう「打ち込み」サウンドとても心地よし。何気に心に残る音楽。


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「映画喫茶」は自主映画監督、酒井啓が鑑賞した映画や小説などについて綴ったデータベースです。プロフィールなどの詳細は下記公式サイトへどうぞ。
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