「LOFT」公式サイト
http://www.loft-movie.com/
2005年/日本/115分
監督・脚本:黒沢清
撮影:芦沢明子、音楽:ゲイリー芦屋
出演:中谷美紀、豊川悦司、西島秀俊、安達祐実、大杉連、鈴木砂羽、他
「神田川淫乱戦争」「ドレミファ娘の血が騒ぐ」「地獄の警備員」「CURE」「ニンゲン合格」「カリスマ」「アカルイミライ」「回路」「ドッペルゲンガー」などなど、独自の作風でジャンルの臨界点に挑んだ作品を発表し続けている黒沢清監督の3年ぶりとなる最新作。
黒沢作品初の女性を主役においた恋愛映画の要素も強い映画ですが、映画「嫌われ松子の一生」など「中谷美紀さんが出演している作品はあまり好きになれない」ジンクスも黒沢清監督作品なら覆せるはずだ、という期待も込めて、5年ぶりくらいに平日の昼間の映画館で鑑賞。
観終えた後の満足感は過去の黒沢清作品にはないほど低いものだった。こんな時には実際と異なるチラシやポスターのキャッチコピーも文字に虚しさを感じてしまいます。良ければキャッチなんか気になりはしないのですが。
敷居を高くしてしまったからだけではないとは思うのですが、個人的には黒沢作品の「曖昧なところ」に魅力を感じていたのですが、その余地が感じられなかった。
プロット的には曖昧な部分もあったようにも思うのですが、恋愛映画的になっていたせいか、映画全体を動かす根のようなところが変にハッキリと表現されていたように思う。
そもそもこの作品「LOFT」は、パンフレットによると、「もうホラーはやらない」と考えていた黒沢清監督に韓国の製作会社からオファーがあり製作に至った模様で、以前の作品のようにネタを暖めていた作品ではないよう。
でも、一定の知名度をもった役者さんばかりが出演していて、ハマる人はハマるかもしれないし、黒沢清ファンならずも楽しめる作品なのかもしれない。