とても昔の映画かと思ったのですが、クレジットを見ると1990年ということで15年前、というか天安門事件など80年代の雰囲気が漂っている。でもその雰囲気は欧米や日本のそれとは大きく異なっており、時事的には80年代のはずだけれど絵ズラ(音楽を含む)は70年代? のようなちょっと変わった感じでした。
ひとことで言えば「ダサイ」というか「スタイリッシュではない」ということなんだけど、別にそういうものを目指しているものではないはずなのでいいのですが。
あとこの映画の題名の「少女」役らしいカティ・オウティネンがどう見ても少女には見えない。むしろ熟女。他に「この人が少女ではないだろう」「他に少女役がいるに違いない」といった気持ちを押さえられなかった。
そんな画の雰囲気もあいまってか、「とても暗い」、というか「やり場のない」感じで観ました。カティ・オウティネンがとても痛々しいのです。後でポスター、ビデオのパッケージ画像を見ると、「どうやらコメディ(ブラック?)」でもあったらしいことを発見。
他の多くのアキ・カウリスマキ作品のようにカティ・オウティネンが体現するカウリスマキ演出が全編にわたって炸裂していました。
ワンテイクが長いわけでもないのですが「簡単に」撮っているカメラワークもカウリスマキ作品的。