セックス調査団

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セックス調査団セックス調査団
Investigating Sex
2001年/ドイツ・アメリカ/105分
監督・脚本:アラン・ルドルフ
原作:アンドレ・ブルトン
脚本:マイケル・ヘンリー・ウィルソン
撮影:フロリアン・バルハウス、音楽:ウルフ・スコスベルグ
出演:ダーモット・マローニー、ネーヴ・キャンベル、ニック・ノルティ、ジュリー・デルピー、ジェレミー・デイビス、他
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この映画「セックス調査団」はその題名の為か、ビデオショップでは「エロティックコーナー」に置いておりますが、映像的にはあまり直接的に卑猥な表現のカットはない。

原作は「ナジャ」「シュールレアリズム宣言」などのアンドレ・ブルトンの「性に関する探究」ですが、映画自体がシュールレアリズムな感じなのではなく、近代的な手法でシュルレアリストのディスカッションを映像化した映画。

とはいえ「セックスの探求」について1920~30年代の設定で白熱した議論がされる為、映像的というよりは言葉的には卑猥な表現が多いかもしれない。

ただ、設定が当時のインテリたちの議論、となっている為、セックスも性交(セクシャルインターコース)というような表現になっている。要は「お上品な猥談」になっており、そういう素朴さ、というかひたむきさがお好きな人にとっては他にかえられない作品。第一次大戦直後のフランスの性の倫理観もうかがい知れて面白い。

さらに目を惹いたのは登場している役者陣。

主人公は初見でしたが、ソダーバーグ版の「ソラリス」でいい味を出していたジェレミー・デイビスや、レオス・カラックス監督の「汚れた血」、クシシュトフ・キェシロフスキ監督のトリコロール「白の愛」、ミカ・カウリスマキ監督の「GO!GO! LA」など、僕の好きな小規模映画に数多く出演しているジュリー・デルピーなどが出演していたのには驚いた。

単にピンク的な映画を作る目的でキャスティングされているわけではなく、文芸作品?としての志を感じてしまう。

ただこの映画は2001年の製作のようだが、1930年代くらいの舞台設定とのことで、多少アナクロ的に作ってはいるものの、観ているとどうも1970年代に製作された映画を観ているよう。

監督のアラン・ルドルフは80年代にはジョン・ローン主演の鬼作「モダーンズ」も監督している。

ちなみにこの映画はドイツとアメリカが製作のようですが、劇中の使用言語は英語。個人的にはアンドレ・ブルトン原作ものならば、コテコテのフランス語のものも観たいものです。


「セックス調査団」公式サイト
http://www.albatros-film.com/movie/sex/







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