アニー・ホール

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アニー・ホールアニー・ホール
Annie Hall
1977年/アメリカ/97分
監督・脚本:ウディ・アレン
撮影: ゴードン・ウィリス
衣装デザイン: ラルフ・ローレン
出演:ウディ・アレン、ダイアン・キートン、トニー・ロバーツ、ポール・サイモン、キャロル・ケイン、シェリー・デュヴァル、クリストファー・ウォーケン、シガーニー・ウィーヴァー、他
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意外にも食わず嫌いだったウディ・アレン監督作品。このブログにリンクを掲載している「Happy pork-chop Strut Revival」さんもお気に入りの一本のようですが、存在を知ってからいざ観るまでに15年くらいかかってしまった。

思ったより「インテリな大人のための恋愛映画」の印象が残る。

出会いのシーンなどの台詞とは別に字幕になっている心理描写のところは、文字を読むのに忙しいが面白い。

意外と印象的だったのは、壁に貼られていたダイアン・キートンが撮ったロブスターとの格闘の写真。この写真は実によく撮れていた。大写しにしないところが玄人心をくすぐるところでもある。

全体的に屁理屈というか情報量の多い作品だが、一度に全てを追うのは難しいからといいって漠然と美術などの画面を見ていると展開が全くわからなくなってしまいそこらへんのさじ加減が私的には難しい映画。

また、全てをキャッチできない程の情報量のでいえばゴダールなどによくみられる「断片的な引用」を思い出すが、ある意味「ウディ・アレン映画の台詞」もそれに近いような気がする。より多くを理解するには観る回数がより必要になる。

あと、この「アニーホール」は恋愛映画のような組み立てにはなっているが、変な違和感は感じてしまう。

恋愛ってある意味心の変化だと思うが、ウディ・アレンの役柄にはそれを感じなかった。ダイアン・キートンの役柄は心の変化を感じれたのでこの映画の主人公は題名が示すように彼女であるような印象も受けるが、どこか腑に落ちない。自分の変化を前提としたような対話が感じられないので、恋愛というよりも、「ウディ・アレンの愉快な生活」というような印象が残る。

ユダヤ人問題に多くふれているからという要素もそう感じさせる要因なのかもしれない。そう、この映画はユダヤ人問題などのたくさんの種類の問題提起というかネタが押し込まれているからひとつのジャンルに収めにくいのかもしれない。だいたいあんまり詰め込もうとするとどのネタもパンチが弱くなるものだが、そこのところは「人間ウディ・アレン」のパワーで押し切ってしまったというところか。

個人的には画作りにはもう少し審美眼を持っていただきたかったが、ウィットに富んだ手法で映画の表現の可能性に挑戦した映画であることは間違いない。

なお、劇中ではマーシャル・マクルーハン役で本人が出演している。また、トルーマン・カポーティは自身のそっくりさん役で出演している。







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