2006年09月

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刺青

刺青 SI-SEI刺青 SI-SEI
2005年/日本/72分
監督:佐藤寿保
原作:谷崎潤一郎
脚本:夢野史郎
撮影:斉藤幸一
出演:吉井怜、弓削智久、他
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谷崎潤一郎原作の「刺青」ということで谷崎ファンとして期待して、かつ深紅のチラシ画像につられて鑑賞。

見始めると谷崎の「刺青」を読んでいたのかどうかわからなくなってしまったのですが、自分には観ていて言葉があまり体に入ってこない作品だった。珍しく最後まで映画にも入れない感じだった。

自分が作った作品のことを考えてしまい、身につまされる思いもありますが、映像的にも単調な感があった。個人的な好みとしては、もっと現代風にプロットも含めて脚色してほしかった。

肌のクローズアップでは、首に生えている産毛が気になったりしてしまった。

佐藤寿保監督はピンク映画界の巨匠ですが、この作品は自分にはあまり合わない作風で残念。

草叢

草叢 KUSAMURA草叢 KUSAMURA
2005年/日本/70分/R-18
監督:堀禎一
脚本:尾上史高
撮影:橋本彩子
音楽:網元順也
出演:速水今日子、吉岡睦雄、伊藤猛、冴島奈緒、佐々木ユメカ、下元史朗、他
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「牧歌的・幻想的なエロ」風のDVDパッケージに惹かれて鑑賞。公開名は「不倫団地 かなしいイロやねん」。

ファーストカットから、そういう感じではなさそう、と感じる。最近のDVD化されるピンク映画は中身以上にパッケージがポップになっている気がする。

僕のようにそれが決め手で見ることになる人も少なくないはずなので、見事な販売戦略にというか、結果的には功を奏していると思う。

パッケージ画像には「股を広げた女の脚」は写っていたが、本編に出演している主演がこんな歳、格好だとは全く想像できなかった。ウソはないけれども、ジャケットって恐ろしい。

映画自体は「チープ・低予算・華がない」感じでしたが、エレジーを感じる、練り上げられた脚本に驚いた。

映画作りに対する、作り手の情熱を感じる1本。

ビタースイート

ビタースイートビタースイート
2004年/日本/58分/R-18
監督:女池充
企画:朝倉大介
脚本:西田直子
撮影:伊藤寛
出演:向夏、石川KIN 、林由美香、佐野和宏、福島拓哉、他
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クールな後味が残るピンク映画の劇場公開バージョン。公開名は「濃厚不倫 とられた女」。

ピンク映画ですが「ピンク七福神」の一人、女池充監督作品のピンク映画の枠を超えた映画。

個人的には両方好きなのですが、芸術的な感じの映画より、元気いっぱい、というか、勢いで魅せるような女池充監督作品も観てみたくもなりました。

この作品には数年前に亡くなった林由美香さんや、自主映画などの場で活躍している知人の福島拓哉さんなどが出演している。

DVD特典映像で荒井晴彦さんが言っていたように思いますが、良くも悪くも、この映画、濡れ場がなくても映画として成立しているように思います。

「ビタースイート」公式サイト
アルゴピクチャーズ

風の痛み

風の痛み風の痛み
Brucio nel vento
2001年/イタリア・スイス/117分
監督・脚本:シルヴィオ・ソルディーニ
原作:アゴタ・クリストフ
音楽:ジョヴァンニ・ヴェノスタ
出演:イヴァン・フラネク、バルバラ・ルクソヴァ、カロリーヌ・バエル、シトラド・ゲーツ、他
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少し前に原作となったアゴタ・クリストフの小説「昨日」を読み、「映画化されている」という情報を得ていたが、地元のツタヤなどでは扱っておらず、新宿ツタヤでようやくDVDをゲットする。

チェコ人はフランス語で書いた原作のはずだが、イタリアとスイスが製作なせいか、終盤、決定的に違う部分もあった。でも、基本的に原作の小説を忠実に再現していたように思う。

個人的にはチェコ人? が集まるフランスのBarは壁などうらびれた雰囲気の店を想像していたが、壁が明るいクリーム色で少しびっくりしたのと、時代設定が思ったより現代になっていたのが新鮮だった。

あと、リーヌ役の女優さんがもう少し造形的に美しい方だったら、プロットに説得力がましたようにも思う。

映画としては、鑑賞に備え、無理にテンションを上げなくてもゆっくり鑑賞できるしっとりとした作品。

「イタリア映画祭傑作選」の2作目の作品のようですが、フェリーニ、ビスコンティ、アントニオーニの作品郡などと比較してしまうと、あまり「傑作」ではないような気もします。

ただ、最近のイタリア映画、日本にはあまり入ってきていないように思うので貴重な作品ではあるはず。

「風の痛み」公式サイト
http://home.m02.itscom.net/rakusha/kaz/

NANA-ナナ

NANA -ナナ- スペシャル・エディションNANA -ナナ- スペシャル・エディション
2005年/日本/114分
監督・脚本:大谷健太郎
原作:矢沢あい
撮影:鈴木一博
出演:中島美嘉、宮崎あおい、成宮寛貴、松山ケンイチ、平岡祐太、他
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まだ未見だった映画「NANA-ナナ」をようやく鑑賞。

珍しく、原作の漫画は会社で回し読みに参加させてもらい読んでいたので、映画版も気にはなってたのですが、監督を自主映画上がりの大谷健太郎監督がやると聞くと俄然期待してしまう。

観終えた後のガッカリ度は測り知れない。主人公と同年代の人たちがどう観るのかはわからないが、原作ものの映画としては「ライブシーンがよい」以外、観るべきところはなかった。終始観ていて恥ずかしくなってしまうような薄っぺらい演技の中島美嘉さんが気のどくに思ってきてしまった。悪い意味で自主映画くさい。

原作の漫画にあった「テンポの良さ」や「ト書き的な書き込み」など、僕が魅力的に思った部分は映画には反映されていなかった。こんなに観るべきところがない映画も珍しく、現場でプロデューサーなど誰も不安にならなかったのか、と思ってしまう。大谷監督もこの作品を最後に終わってしまうのではないかと心配したが、これまた驚いたことに今公開中の映画「ラフ」の監督をしているようだ。さらにこの映画の続編も大谷監督がメガホンをとるらしい。

百歩譲っても、原作ものは、その原作をなぞるようにして撮る場合は森田芳光監督の「失楽園」のように興行的に成功しないことには生きる道はないと思う。作る側も結果的に自分をすり減らすことになるわけだし。

LOFT








「LOFT」公式サイト
http://www.loft-movie.com/

2005年/日本/115分
監督・脚本:黒沢清
撮影:芦沢明子、音楽:ゲイリー芦屋
出演:中谷美紀、豊川悦司、西島秀俊、安達祐実、大杉連、鈴木砂羽、他

「神田川淫乱戦争」「ドレミファ娘の血が騒ぐ」「地獄の警備員」「CURE」「ニンゲン合格」「カリスマ」「アカルイミライ」「回路」「ドッペルゲンガー」などなど、独自の作風でジャンルの臨界点に挑んだ作品を発表し続けている黒沢清監督の3年ぶりとなる最新作。

黒沢作品初の女性を主役においた恋愛映画の要素も強い映画ですが、映画「嫌われ松子の一生」など「中谷美紀さんが出演している作品はあまり好きになれない」ジンクスも黒沢清監督作品なら覆せるはずだ、という期待も込めて、5年ぶりくらいに平日の昼間の映画館で鑑賞。

観終えた後の満足感は過去の黒沢清作品にはないほど低いものだった。こんな時には実際と異なるチラシやポスターのキャッチコピーも文字に虚しさを感じてしまいます。良ければキャッチなんか気になりはしないのですが。

敷居を高くしてしまったからだけではないとは思うのですが、個人的には黒沢作品の「曖昧なところ」に魅力を感じていたのですが、その余地が感じられなかった。

プロット的には曖昧な部分もあったようにも思うのですが、恋愛映画的になっていたせいか、映画全体を動かす根のようなところが変にハッキリと表現されていたように思う。

そもそもこの作品「LOFT」は、パンフレットによると、「もうホラーはやらない」と考えていた黒沢清監督に韓国の製作会社からオファーがあり製作に至った模様で、以前の作品のようにネタを暖めていた作品ではないよう。

でも、一定の知名度をもった役者さんばかりが出演していて、ハマる人はハマるかもしれないし、黒沢清ファンならずも楽しめる作品なのかもしれない。


約三十の嘘

約三十の嘘 特別版約三十の嘘 特別版
2004年/日本/100分
監督・脚本:大谷健太郎
原作・脚本:土田英生
脚本:渡辺あや
撮影:鈴木一博
音楽クレイジーケンバンド
出演:椎名桔平、中谷美紀、妻夫木聡、田辺誠一、八嶋智人、他
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まず、オープニングの音楽が「面影ラッキーホール」に違いない! と思ったら、「クレイジーケンバンド」でした。三池崇史監督の「ブルースパープ」を観ていたら勘違いしてしまう人もいるかもしれない。

大谷健太郎監督は「アベック・モン・マリ」「とらばいゆ」で、非商業映画的=自主映画的ながら、エリック・ロメール的、とも言うべき、くったくのない台詞回しで観せる映画にファンになってしまったのですが、その大谷監督が日本のメジャー所の役者さんを起用した密室劇を撮ったと聞いて、ずっと観たかったのですが、ようやく観ることができました。

結果的にはほとんど密室劇ですが、役者が魅力的に描かれていて心地よかった。のと、脚本が練られていたのが印象的だった。

椎名桔平さんは好きな役者の一人ですが、彼の魅力が映画の中で生きていると感じられた。あまり好きではない中谷美紀さんもこの映画の役どころはハマリだったように思う。「ちょっと意地っ張りだけど純粋」な感じはハマルように思う。何度も書いてしまうが、映画「嫌われ松子の一生」の彼女はイマイチだ。

その他、妻夫木聡さん、田辺誠一さん、八嶋智人さんなども、それぞれいい味をだしていて魅力的だ。

アルゼンチンババア

アルゼンチンババアアルゼンチンババア
よしもとばなな

ロッキングオン
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書店でもひときわ目を惹く、奈良美智さんの魅力的な装丁の本。

「アルゼンチンバナナ」ではなく「アルゼンチンババア」という題名に???ととりあえずひっかかる。

さらに帯には「映画化決定!」の文字が見え、衝動買いしてしまった。

吉本ばななさんの作品は昔「哀しい予感」「キッチン」「つぐみ」などを読んでいたのですが、最近は、というか、ここ10年以上、すっかりご無沙汰だった。

森田芳光監督の映画「キッチン」は案外好きなテイストだったのですが、今回の「アルゼンチンババア」は自分なりのひっかかりを感じぬまま終わってしまった。

思えば、吉本ばなな作品とは相性があまり良くないようで、自分的には価値を見出さないエリアがクローズアップされている感じを今回思った。

特に「許せない!」などと思うことはまったくないのですが、何かを待っているうちに全てが素通りしていってしまうような感じで、好き嫌い以前の問題のように思う。

映画化が決まるということは、少なくとも製作サイドでは「映画にする価値がある」とふんだはずだ。
とりわけ難しいわけではないと思うが、自分には想像もつかない食いつきもあるんだ、ということを考えた一冊。

自分が持っている、奈良美智さんのイラストTシャツ。これ着ていたら吉本ばななファンだと思われてしまうこともあるのかと考えると少し複雑。

セクシードリンク大作戦

セクシードリンク大作戦~神様のくれた酒セクシードリンク大作戦 神様のくれた酒
2003年/日本/63分/R-15
監督・脚本:本田隆一
脚本:佐藤佐吉
撮影:今泉尚亮
音楽:サミー萩原
出演:片桐華子、山本浩司、千原浩史、森下能幸、森三中、他
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今回もいやらしい映画を期待して鑑賞。

が、最初の数分でセクシー系というよりはお笑い系の映画であることを、そのキャストの面々で確認することになる。

お笑いはライブ感が命であることを再確認。コントの寒いこと寒いこと。お笑い芸人さんは観られる=被写体、としては板についていますが、ミュージシャンやモデルと同じで、役者に求められるもの全ては持ち合わせていない。

主演の片桐華子さんは上の文脈ならばミュージシャン系の役者さんに見えましたが、熱のこもった演技でした。

個人的には千原浩史さんのファンなのですが、彼の魅力が出尽くされた作品ではなかったのが残念。お笑いのムード漂う映画が好きな人にはオススメの一本。尺も短いので気軽に観れる。

美女缶

美女缶美女缶
2003年/日本/61分
監督・脚本・編集・美術:筧昌也
撮影:森克彦
音楽:浅田将助、椎名高之、水野修一
出演:藤川俊生、吉居亜希子、木村文、小沢喬、他
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平日の深夜に一人でぴっそりといやらしい映画を観ようと鑑賞を始める、が、ファーストカットからどうもそうじゃないことを実感するようになる。

結果的には期待を裏切られた作品でした。いい意味で。久々の自分中でのヒット作。
それにしても四畳半SFだったとは・・・。

何かを考えさせるような作風ではありませんが、自主制作でありながら、商業ものと同じ土俵で、かつ、この「美女缶」の方がおもしろいなんて素敵だ。

DVDの特典映像を見るとこの作品は2003年のゆうばりファンタスティック映画祭でグランプリを獲得した模様。脚本は漫画を書くような感じで作成したとのことです。

完成当初は仲間内では不評だったようですが、「あんまり自主映画とか観たことないけどいろいろ観てみたい」というような人達にはとてもやさしい映画だと思う。

特に脚本、設定等、自主映画が抱えるデメリットが気にならない、というか、むしろこの方がネタのおもしろさが栄えるようにすら感じてしまう。

後にBS-iなどで番組化などされたようですが、「時代はやっぱり漫画映画なのか?」と感ぜずにはいられませんが、最近、嶽本野ばら氏の作日を耽読している自分ならば「乙女路線」を狙うべき?


「美女缶」公式サイト
http://bijocan2.s141.xrea.com/index.php

縁切り神社

縁切り神社縁切り神社
田口ランディ

幻冬舎 2001-02
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ネットコラムニスト? の田口ランディ氏による、表題作「縁切り神社」を含めた短編小説集。

「縁切り神社」は実際に京都にあるようです。自分の都合の悪いときだけ神様にお願いする、という行為の代表のような気もしますが、キャッチーなネタであることは確か。

この作品は幻冬舎の「Web.Magazine」にアップされていますが、文体も軽く読みやすい。ランディ氏の短編小説はいわゆる小説の文体というよりWebの文体なのでしょう。ひっかからずに読み進められます。

でも、「ひっかかる」ってある意味「文学的」なことでもあるように思うで、そこらへんが、「中身が無い」というか「浅い」感じがするのですが、そこがランディ作品の良さのような気がします。

「人の死」を扱っているのに、だからこそ、その軽さが気になるのかもしれません。

でも、次は彼女のエッセイも読んでみたくなりました。

マグマのごとく

マグマのごとくマグマのごとく
2004年/日本/68分/R-15/
監督:亀井亨
製作・原案・脚本:永森裕二
撮影:中尾正人
出演:黒沢愛、水元ゆうな、 藤田浩、深来勝、阿倍泰之、江原修、他
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風呂場でのみSEXをしたがる女の話。

映像は綺麗でお洒落な感じなのですが、なんとも中途半端な印象。

fuckシーンやヌードなど、濡れ場のシーンは多いのですが、興奮しない。

かといって、物語を観ているような気持ちにもなれず、観たいはずのものが、綺麗に映っているのに、何も見えない、という不思議な感じすらした。

これはおそらく、作り手のスピリッツと僕の見方に全く接点がなかったということか。

ある意味、珍しい体験でした。

アメリカン・ビューティー

アメリカン・ビューティーアメリカン・ビューティー
American Beauty
1999年/アメリカ/109分
監督:サム・メンデス
脚本:アラン・ポール
撮影:コンラッド・L・ホール
音楽:トーマス・ニューマン
出演:ケヴィン・スペイシー、アネット・ベニング、ゾーラ・バーチ、ウェス・ベントリー、ミーナ・スヴァーリ、他
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とっても好きな映画の割には、意外に何度も観た記憶のない「アメリカン・ビューティー」を久々に鑑賞。

一度じっくりと観た映画でもプロットをすっかり忘れてしまう幸福な性格? が幸いして初見のようにゲラゲラと楽しんでしまった。

今回観て思ったのは特にシーンの切り替えのカットのうまさ。

自分で撮るときは予定調和、というか、つじつまあわせを脱したいと思いながらできない場合が多いのですが、この映画では、シーンの頭で笑ってしまうことが多かった。ケビン・スペイシーがはっぱをやりながら車の運転をしていたシーンなんかでは、こんなに大声を出している自分にびっくりするぐらい笑ってしまった。

あと、この「アメリカン・ビューティー」を観て以来、街中でビニール袋が風に舞っているのをみると「あぁ、ビューティー」と、つい思うようになった。

ブラックユーモア、というかアイロニー好きで、ケビン・スペイシーの演技が生理的に嫌でないならば、かなり楽しめる1本。さまざまな人々の持つ微妙な閉塞感を絶妙に表現している。


シシリエンヌ

シシリエンヌシシリエンヌ
嶽本野ばら

新潮社
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“これほどまでに美しくも悲しい官能小説がかつてあっただろうか?”というこの本の帯にあるコピーは、著者本人が作品を書き上げる前に考えていたとのことですが、のっけからの激しめの描写に「下妻物語」の著者なのに・・・、と、とても生々しい印象を受ける。

とはいえ、イヤラシイものには目が無い私はその描写にしだいにのめり込んでしまったのですが、「館」の描写あたりからそのスピード感が落ちてしまったように感じる。

全体のプロットについては「あと10ページしかないのにどういうオチをつけるつもりなのだろう」と心配してしまいましたが、不満に思うようなそれではなかったのは安心してしまった。

個人的には、かつて自分も愛用した8ミリカメラ「フジZC1000」や「フジZC800」でハンディキャップ女性達の「ブルーフィルム」を撮っているシーンなどは機材を含め情景が変にリアルに想像できてしまい、うれしい、というか、不思議な気持ちになります。

この「シシリエンヌ」は著者が未知の領域に挑んでいる気持ちは伝わりますが、小説として完成度に欠けているようにも思う。でも、完成された小説なんて好きでも何でもないのですが。


■Yahoo! ブックス
嶽本野ばら「シシリエンヌ」インタビュー

やさしくキスをして

やさしくキスをしてやさしくキスをして
Ae Fond Kiss
2004年/イギリス・イタリア・ドイツ・スペイン
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァティ
撮影:バリー・アクロイド
出演:アッタ・ヤクブ、エヴァ・バーシッスル、アーマッド・リアス、シャムシャド・アクタール、シャバナ・バクーシ
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意外にも名前だけしか知らなかったケン・ローチ。それこそ「テス」と「ケス」の区別がつかず、ラッセル? 観たような観てないような、ポランスキー監督じゃなかったっけ? といった感じだった。

「やさしくキスをして」は、「ケン・ローチ初の恋愛映画」のようなふれ込みだったようですが、例えば、フランスのジャン=ジャック・ベネックス監督やレオス・カラックス監督などの恋愛映画と比べると、「恋愛映画」というよりは、「人種をまたがった恋愛の難しさを描いた社会派映画」だったように思う。恋愛映画にしては恋愛を感情にうったえかけようという作り手の意図が薄かったように思う。

そこで、よくよくフィルモグラフィーを見てみると、ケン・ローチ監督はすこぶる「社会派」な監督さんなようで、この「やさしくキスをして」は、氏の作品群のなかではセックスシーンが多い恋愛映画、ということになるのかもしれない。

性描写については、フェラチオを描くことなくクンニリングスをしっかり描いていると、それはそれで意味、意図があるんだろうと思ってしまう。

つい、多民族国家、というと安直に「アメリカ!」と思ってしまうのですが、イギリスもいろいろ問題が絶えないだろうな、とつくづく思う。

トーンというかテンション? はアメリカ映画よりもイギリス映画の方が、素の日本人のリズムに合っているような気もする。

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「映画喫茶」は自主映画監督、酒井啓が鑑賞した映画や小説などについて綴った備忘録ブログです。プロフィールなどの詳細は下記公式サイトへどうぞ。
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