ピアニスト

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ピアニストピアニスト
La Pianiste
2001年/フランス・オーストリア/132分/R-15
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
原作:エルフリーデ・イェリネク、撮影:クリスティアン・ベアガー
出演:イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル、アニー・ジラルド、アンナ・シガレヴィッチ、スザンヌ・ロタール、他
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久々に観た難解な映画。好きか嫌いか問われれば、好きな映画。

映画自体は「恋愛映画」の体裁をとっているが、それだけにとどまらない格式の高さと緊張感を併せ持っているように感じさせる。それは、レオス・カラックス監督作品群のように「迸る情熱」といった感じではなく「大人の、闇の部分」を感じさせる映画。

原作者のエルフリーデ・イェリネク氏はノーベル文学賞やカンヌでの審査員特別グランプリなど芸術賞を総なめにしているが、自国、オーストリアでは批評家には受けがいいが、一般には受け入れられていない作家のよう。

ミヒャエル・ハネケ監督作品は、最近、2005年にカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した「隠された記憶」が公開されていたようだが「ファニーゲーム」の底知れぬブラック感が印象的な監督。

軽はずみで文句をつけにくい映画を撮っている。論理的、というか、一定の不可解感をかんじさせながらも、一貫した映像を積み上げている稀な監督。

当然個人差はあるが、自分にとっては「原作を読んでみたくなった」という意味で映画として成功していると思う。

でも、この作品原作はドイツ語のはずだし、監督もオーストリア人のはずなのに、何故イザベル・ユペール主演のフランス語映画になっているのだろう。

と調べてみるとヴェルナー・シュローター監督の「マリーナ」(1990年)という作品では、エルフリーデ・イェリネク氏は脚本で参加し、イザベル・ユペールが主演していた。イェリネク&ユペールコンビはここで誕生したのかもしれない。ちなみに「マリーナ」は「ママと娼婦」などのジャン・ユスターシュ監督に捧げられている。


■参考
「ノーベル文学賞イェリネク 挑発に満ちた難解さ 寺尾 格」
神奈川新聞(共同通信) 2004年10月15日







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