隠された記憶

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隠された記憶隠された記憶
Cache / Hidden
2005年/フランス・オーストリア・ドイツ・イタリア/119分
監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ
製作総指揮:マルガレート・メネゴス、ミヒャエル・カッツ
出演:ダニエル・オートゥイユ、ジュリエット・ビノシュ、モーリス・ベニシュー、アニー・ジラルド、ベルナール・ル・コク、ワリッド・アフキ、レスター・マクドンスキ、ダニエル・デュヴァル、ナタリー・リシャール、ドゥニ・ポダリデス、他
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「ピアニスト」「ファニーゲーム」などの、人間のなんともいえないところにメスを入れる印象のあるオーストリア生まれのドイツ育ちのミヒャエル・ハネケ監督の最新作。日本の公開はフランス映画祭やユーロスペースなどで行われた模様。

ハネケ監督作品はひょんなことから鑑賞した「ファニーゲーム」が印象的で、人間の生活の中で「よりによってどうしてそこを」というような場所、感情をシンプルかつ冷静に描く魅力がある作品。デビット・リンチ監督の描く決して晴れることのない悪夢などを思い起こさせる。

この「隠された記憶」はそんな期待をして観た割りには珍しくその期待を遥かに凌ぐ出来ですっかり興奮してしまった。「人間ドラマ」というより「サスペンス」というジャンルにおさまってしまうところが若干物足りなさを感じるものの、とりあえず2007年に観た映画ではナンバーワンになる予感が高い。

まず、お金やアクションや台詞、プロットに頼らずにまとまった時間の映像を魅せる技術に感服。

具体的には観ればわかることだが、撮りたい物を撮りたいように撮るというよりも、人が画面を見続けるために不可欠なことを理解した上で映像は積み上げられている。

配給がつくような映画はどんな映画もそこそこ大人が考えて作ってはいるが、演出以前の「見ること」についての考察が抜本的だ。

「ピアニスト」のときはあまり感じなかったが「解かりたいけれど、あと少しで解かりそう」といった感情を120分持続できた映画は自分の経験では0.1%くらい、本数で言うと1000本に1本しか観ることができない傑作。

ミヒャエル・ハネケ「隠された記憶」公式サイト
http://www.kioku-jp.com/

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