2007年06月

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血と骨

血と骨 コレクターズ・エディション血と骨 コレクターズ・エディション
2004年/日本/144分
監督・脚本:崔洋一
原作:梁石日
脚本:鄭義信
撮影:浜田毅、小泉篤美
出演:ビートたけし、鈴木京香、新井浩文、田畑智子、オダギリジョー、他
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まさに「血と骨」という感じの映画。想像以上に俳優北野武の魅力が満載の映画だった。と同時に「在日もの」と考えたら原作・脚本・監督、と最高のスタッフで作り上げた感もある。

個人的にはルビィ・モレノさんが主演の「月はどっちに出ている」でもそうだったが、崔洋一監督作品は作品の中に入るのを拒まれている感じがする。

監督を始めとするスタッフや出演者などが一丸となって、情熱的にその気になって良い映画を目指していることは、画から伝わってくるが、自分の中までは浸透してこない。「在日はこんなに大変なんだ!」と叫ばれてピンときません、というような感じを受けてしまうのが正直なところ。

なんというか、どうせいい映画を作るのならば、キューブリック監督などのように、その倫理観自体を宙づりにするような、もっと普遍的な視点で作品を撮れれば面白くなると思うのはキューブリックファンの私だけでしょうか。

春の雪

春の雪春の雪
2005年/日本/150分
監督:行定勲、原作:三島由紀夫
脚本:伊藤ちひろ、佐藤信介、撮影:李屏賓
出演:妻夫木聡、竹内結子、高岡蒼佑、スウィニット・パンジャマワット、アヌチット・サパンポン、及川光博、田口トモロヲ、高畑淳子、石丸謙二郎、宮崎美子、柄本佑、少路勇介、朝倉えりか、上杉二美、小堀陽貴、志田未来、田中千絵、三谷侑未、徳井優、中原丈雄、石橋蓮司、山本圭、真野響子、榎木孝明、大楠道代、岸田今日子、若尾文子、他
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三島由紀夫原作映画ということで鑑賞。原作は読んでいませんが「森田芳光監督の夏目漱石原作の『それから』のようにすばらしい文藝映画なこともあるかもしれない」ことを若干期待してみたものの、この勝手な期待は裏切られることに。

話によると主演の竹内結子さんはこの映画の撮影中に実際に妊娠なさっていたようですが、主演女優を魅力的に美しく撮るのは監督の役割なので、この映画は現場でO.K.を出している監督の姿が浮かばない珍しい作品だった。

そうそうたる役者陣が出演している割には、妻夫木聡さん、竹内結子の主演2人にはがっかりする場面が多かった。妻夫木さんの英語は「意味はわからないけど、音で覚えました」という感じがして短い台詞でも見ていて恥ずかしくなることは避けられなかった。これも行定監督がどんな感じでO.K.を出していたんだか想像できない。

個人的には及川光博さん、田口トモロヲさんの演技に目を奪われた。それと、大楠道代さん、岸田今日子さん、若尾文子さん。伏し目がちになるだけでその奥ゆかしさと多くを語ってしまう佇まいには脱帽。

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