ゲルマニウムの夜

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ゲルマニウムの夜 デラックス版ゲルマニウムの夜 デラックス版
The Whispering of the gods
2005年/日本/107分
監督:大森立嗣
製作総指揮:荒戸源次郎
原作:花村萬月「ゲルマニウムの夜」(文藝春秋)
脚本:浦沢義雄
音楽:千野秀一
出演:新井浩文、広田レオナ、早良めぐみ、木村啓太、大森南朋、大楽源太、山本政志、三浦哲郁、麿赤兒、石橋蓮司、佐藤慶、他
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当時は公開前だったが、ひょんなことから五反田のイマジカの試写室でこの「ゲルマニウムの夜」を観ることに。

荒戸源次郎プロデュース作品は「ツィゴイネルワイゼン「陽炎座」「夢二」」の大正ロマン三部作や「赤目四十八瀧心中未遂」(監督作品)などが特にお気に入りだったので、期待して観てしまった。

印象としては、ピュアかつコアな感じ。過剰を抑えたストイックな演出が印象的。なんというか観ていてペニスが「キュン」となった珍しい映画。

この作品は上映前から、上野公園内の「一角座」のみで、半年以上上映することが決まっていたが、単館で長くやるのが現在の日本の映画界に対する挑戦なのは疑問だ。作り手としては映像も音も支配したいしたいことは吝かでないが、長い期間上映してくれるのは嬉しいばかりだが、観る側から考えると「上野まで脚を運べ」というのは東京圏内で生活していない者をないがしろにしているように感じられる。上映形態に関しては謎が残る作品だが、映画は人間の「余白」を感じる自分好みの作品で大満足。

個人的に荒戸源治郎映画事務所に関わることができなかったのは残念だが、別の機会を自分で作っていかなくてはいけない。

内容的には「ラジオの音?」の存在が気になる。映画でそれを聞かせないのはとても安直な解決策なので、お金を払って観るんだったら大森監督の「あっと驚く」演出も観てみたかった。

原作の花村萬月氏は他には、最近は特に「読み物的」な作品を量産し続けているが、この作品は珍しく作者の本気モードを感じる作品で、かつ、芥川賞受賞作品。

「ゲルマニウムの夜」公式サイト
http://www.aratofilm.com/index.htm







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