ピンクリボン

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ピンクリボンピンクリボン
Pink Ribbon
2004年/日本/118分
監督・脚本・撮影:藤井謙二郎
出演:黒沢清、高橋伴明、井筒和幸、女池充、池島ゆたか、若松孝二、渡辺護、足立正生、田尻裕司、林田義行、他
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「乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝えるシンボルマーク」ではない方の「ピンクリボン」。近年40周年を迎えたピンク映画のドキュメンタリーフィルムを鑑賞する。

最近、パッケージ画像につられて一般公開されたピンク映画のDVDを観る機会が多いのですが、思えばこんな機会があるのもVHSからDVDへとメディアが変化するタイミングと、一般公開するピンク映画が出始めるタイミングが重なったからなんだろうか。

この「ピンクリボン」を観て驚いたことは、まず、ピンク映画などで「製作」としてとしてクレジットされている「朝倉大介」氏が女性であったこと。若松孝二監督が「ねえさん」と呼んでいたのが印象的。

黒沢清監督の日活ロマンポルノ「神田川淫乱戦争」は日活側の判断で公開されなかったこと。

ずっと「コワもて」系の人だと思っていた高橋伴明監督がとても温和でやさしい感じの人柄のように見えたこと。

撮影中に「神と交信する」という女池充監督の現場風景が見れたこと。

などでしょうか。他にも最近面白い作品を撮る人だな、と思っていた田尻裕司監督の姿や、若松孝二監督の冷静な会社経営能力=予算管理能力(ひたすら情熱的に湯水のように使ってしまう印象がありました)が垣間見れたのは刺激的だった。

舞台挨拶など観ても「昭和の香り」漂う人によって支えられているとは思いましたが、思っていたとおり後継者がいない、というか、メディア形態として瀕死の状態であることも実感できました。「20年前にあと10年でなくなる」と言われていた理由がわかります。2015年にはどうなっていることやら。

フィルム撮りのオールアフレコ、という形式は8ミリ映画に通ずるところを感じ、ピンク映画製作の膨大なノウハウはそのまま低予算フィルム映画作りのノウハウとして受け継ぐ場所が存続して欲しいことも強く感じます。


「ピンクリボン」公式サイト
http://www.uplink.co.jp/pinkribbon/







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