バッシング

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バッシングバッシング
Bashing
2006年/82分/日本
監督・脚本:小林政広
助監督:川瀬準也
撮影:斉藤幸一
編集:金子尚樹
出演:占部房子、田中隆三、香川照之、大塚寧々、加藤隆之、本多菊次朗、板橋和士、他
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以外とたくさん観ている小林政広監督作品。「海賊版 ブートレッグフィルム」「クロージングタイム」「女子社員愛欲依存症」「殺し」などの監督作品以外にも脚本参加として「夢ならさめて」「でらしね」「LUNATIC ルナティック」など多くの作品がある。

個人的には「海賊版=BOOTLEG FILM 」でガツんと捕まれ、それ以降、その監督名のクレジットを見つけられれば観るようにしている数少ない監督のひとり。

しかもこの作品は「半ドキュメンタリー」というか私が一番興味深く感じる分野、「ドキュメンタリータッチのフィクション」であったことからして思わず食いついてしまう。なんというか、例えばヒューマニズムのようなものを美化するようなことはなく、中立的な視線で映画が撮られているため、見終えたあとに自分の頭でいろいろ考えることができる、ありそうで、なかなかない映画。

個人の行動が国益に関与するようなことは、あまりないことだと思うが、この事件?の時には起こってしまった。当時の国民のバッシングはナショナリスティックな気がするが、想定外のことにヒステリーを起こしたにすぎないような気がする。「マスコミがおかしい」といっても、マスコミは視聴者・読者が求めているものを書き立てるわけだから、国民の意識の持ちようがバッシングを是認しているように思う。

「なれあい」は得意でも「責任」の意味を知らない日本人が、「自己責任」なんて言ったところで言葉が先走るだけだ。言葉の意味も分かっていない政治家などの発言があるのは、本来あり得ないことだし、それを堂々と報道するマスコミにも罪はある。しかもその報道を疑う意識を持たずに信じてしまう人々の多さにはもう脱帽するしかない。この映画が無能社会の循環を止める、ささやかなストッパーになることを願ってやまない。

久しぶりに大塚寧々さんを観ましたが、しっとりとした物腰が印象的だった。主演の占部房子さんは「ジュリエット・ビノシュに似ているなぁ」と一度思うと、それ以外には見えなくなる。そう思いはじめるとこの映画は「日本映画」というより「フランス映画というかヨーロッパ映画」のように見えてくる。「パリのシネマテークでこんな映画が上映されていそう」などと思ったり。

「バッシング」公式サイト
http://www.bashing.jp/







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