テオレマ

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テオレマテオレマ
Teorema
1968年/イタリア/99分
監督・原作・脚本:ピエル・パオロ・パゾリーニ
撮影:ジュゼッペ・ルゾリーニ
音楽:エンニオ・モリコーネ、編集:ニーノ・バラーリ
出演:テレンス・スタンプ、シルヴァーナ・マンガーノ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、ラウラ・ベッティ、マッシモ・ジロッティ、他
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テオレマはイタリア語、ラテン語で「定理」の意味のようだが、「定理」を辞書引くと「証明済の命題、それ以降の推論の前提となるもの」となっている。

ただこの映画わかりにくいといえばかなりそうなので、仮に弁証法をしようにもその前提を理解できない、ようなもどかしさに陥る。

それと、この映画は例えば「人と人をその関係性から生まれる感情うつろい」のようなシークエンスで魅せるレオス・カラックス監督作品などとは違い、登場人物の感情の動きだけでは追い切れない飛躍が多く、そう感じると唐突な出来事が羅列されているかのようでもあるが、全編を観ると、だらだらとではあるが、ある寓話性に基づいた倫理観で出来事が語られている。この寓話性=神話性へとつながる。

いずれにせよ、「テオレマ」はただ作品のメッセージを鑑賞するような映画ではなく、違和感とともに差し出された出来事について鑑賞者が自分で感じ考える、具象にもかかわらず抽象性が高い映画なので、ハリウッドのエンタテイメント映画などのアトラクション映画好きための映画ではなく、主体性に対して自覚的な人にのための映画であるように思う。

時間をおいてまた観ると新たな味わいが期待できる数少ない映画。








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