悪童日記

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悪童日記悪童日記
Le Grand Cahier / Agota Kristof
1986年(フランス)、1991年(日本)
アゴタ・クリストフ/堀茂樹 訳

早川書房
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最後に読んだのはいつだったか思い出せないほど久しぶりの翻訳小説。

翻訳ものって映画も少しそうだけれど、読んでいて勢いにのりにくい。ダイレクトに身体に入ってくる感じがあまりしないので、なかなか読む機会が少なくなってしまいました。映画だったら「画」がありますが、とかく「文字」だけだと……。

とても珍しいことなのですが、読みやすいにもかかわらず、読んでいて驚きの多い作品でした。翻訳ものだからかもしれませんが、演劇的なセリフ回しは多少気になりましたが、展開・落としどころに関しては舌を巻いてしまいます。

あと「辛辣なこと」「セクシャルなこと」「グロテスクなこと」の描写に結果的にエレジーが感じられ、感覚的にはワンクッションなして鑑賞できる。

堀氏の訳語では題名は「悪童日記」だが、内容を考えるとあっているようには思いますが、これだとジャン・ジュネの「泥棒日記」の二番煎じ、みたいになっってしまいかねないので、「ル・グラン・カイエ」でいいんではないかと思うのは私だけでしょうか。







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