![]() | 伊丹十三DVDコレクション お葬式 1984年/日本/124分 監督・脚本:伊丹十三 撮影:前田米造、助監督:平山秀幸 出演:山崎努、宮本信子、菅井きん、大滝秀治、奥村公延、財津一郎、江戸家猫八、友里千賀子、尾藤イサオ、岸部一徳、津川雅彦、横山道代、小林薫、池内万平、西川ひかる、海老名美どり、津村隆、高瀬春奈、香川良介、藤原釜足、田中春男、吉川満子、加藤善博、関弘子、佐野浅夫、関山耕司、左右田一平、利重剛、井上陽水、黒沢清、笠智衆、他 Amazonで詳しく見る |
序盤のCM監督役で出演していた黒沢清監督が若々しかったのが印象的だったが、宮本信子さんや岸部一徳さんやその他の出演者全員の肌艶がよく、それだけで微笑ましい感じだった。
映画はなんというか「アート・シアター・ギルド」風で、俳優出身の監督の割には、まず、カメラワークや作画にその意欲を感じた。
製作から25年近くたって観ても、古めかしさはもちろんあるが、十分に観れる作品。
この映画の製作時には伊丹氏は50歳過ぎ。マルチタレントのはしりにとどまらない年齢だ。フランスのヌーヴェルヴァーグの一人とされるエリック・ロメールもたしか40歳過ぎて「獅子座」を撮っていたような気がする。彼は「カイエ・デュ・シネマ」の編集?をしていたようだが、壮年になってから映画をとるようになった巨匠たちは、振り返って作品群を眺めるとさすがにまとまりがある感が強い。
当時、青姦シーンに対するクレームはあったようだが、言ってしまえば、この作品の客層はおそらく広かったので、こんなエロシーンで喜ぶ人はいても不快に感じる人が多かったのも予想できる。東京ディズニーランドで青姦していたら、クレームをつける人も少なくないことが想像できるのと同じである。
それと、監督の存命中はどちらかというと、興行的に成功していた妬みからかどちらかと言うと「しゃくに障る」監督と感じていたが、この「お葬式」を改めて観ると、監督の映画に対する情熱と可能性をビシビシと感じ、個人的にはそういう意味で刺激のある作品だった。
なんというかアンダーグラウンドなものが、陽の目を見ると不当ともいえるところで非難されることを思い起こさせた作品。
