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カンヌ SHORT5

カンヌ SHORT5カンヌ SHORT5 Cannes Short5
FAST FILM 2003年/オーストリア・ルクセンブルグ/14分 
監督:ヴァージル・ウィドリッチ
Do you hava the shine? 2002年/スウェーデン・フランス/6分 
監督:ヨハン・ターフィル
field 2001年/イギリス/10分 監督:デュアン・ホプキンス
Play with me 2002年/オランダ/13分 監督:エッサー:ロッツ
Janne da Arc on the Night bus 2003年/ハンガリー/25分 
監督:コーネル・ムンドルッツォ
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カンヌ映画祭の短編部門で好評だった作品5本を集めたオムニパス映画。

作っていないのかもしれないが、日本にはオーストリアやルクセンブルグ、オランダ、ハンガリーなどからの映画はなかなか入ってこないので貴重な映像体験だった。特にハンガリー映画は何年か前にハンガリー映画祭で観た、タル・ベーラ監督の「ヴェルクマイスター・ハーモニー」や「サタン・タンゴ」以来になる。

地球広しといえど案外同じような国の人が同じような人のために作った映画しか観ていないのかもしれない、という無自覚な価値観の狭さを考えさせられる。こういうことは外国に行ったときに思うことなのかもしれないが、この短編集はそんな気持ちを想いおこさせる。

より多くの人が映画館に脚をはこんび、かつ、満足感を持って帰れるような作品を作ろうとすると、結果どの映画も似てくる。そんな当たり前のことを気づかせてくれる。

5作品とも尺、テーマともにバラエティーに富んでいるので比較はできないが、カンヌなので総じてエンタテイメントというよりブラックであったりユニークであることに主眼がおかれているように思う。

5本目のハンガリーの「Janne da Arc on the Night bus 」には特にやられてしまった。


「カンヌ SHORT5」公式サイト
http://www.uplink.co.jp/cannes_short5/

L.S.D. LOVE,SEX&DRUG

L.S.D. LOVE,SEX&DRUGL.S.D. LOVE,SEX&DRUG
1996年/フランス・ポルトガル・オランダ/90分
監督・脚本:ヨランド・ゾーベルマン
撮影: ドニ・ルノワール
出演:エロディ・ブシェーズ、ベアトリス・ダル、ロシュディ・ゼム、ジュリー・バタイユ、リシャール・クルセ、リュック・ラヴァンディエ、エマニュエル・サリンジャー、他
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ジャン=ジャック・ベネックス監督の「ベティブルー」の演技があまりにも印象的なベアトリス・ダル出演作ということで鑑賞。

数年前に諏訪敦彦監督の「H Story」に出演していた彼女は当たり前ですが、いつのまにか立派な熟女になっていてすこぶる驚いたが、ちょうど初主演の「ベティブルー」と比較的最近の「H Story」の間の時期に製作された作品ということでも興味を惹いた。

この「L.S.D. LOVE,SEX&DRUG」というタイトルからはLSD食べてぶっ飛びながらSEXしていそうな映画を想像するが、実際そういうシーンもないわけではないが、以外にもなんというか「人生のやるせなさ」のようなものを描いた真面目な作品。

そういった当時のフランスのストリートのクラブシーンが生々しく臨場感をもって描かれており、ケミカル・ブラザーズのイントロでアツくなっているハコの様子などは観ているこっちまでも、90年代初頭の日本でのクラブシーンを思い出しアツくなってしまった。

関係はないが、90年代に流行したクラブカルチャーは、今となっては、ちょうどサッカーのUEFAチャンピオンシップなどと同じように、バドワイザーやハイネケンなどの洋酒メーカーと商業的に結びつき興行性に埋没してしまったようだ。最近は、ある種「公共性」をもった音楽・空間としてレイヴに、消費されるだけでない新しいモノが生まれる場として熱い注目があつまっているのもある意味必然なのかもしれない。

また、主演のエロディ・ブシェーズは「最後のロリータアイドル?」として注目されている女優さんのよう。もともと黒目がちな彼女だが、映画前半のクラブに行くシーンでLSDか何かを食べたあとという設定の「ガッチリ開ききった瞳孔」が印象的。。

オルランド

オルランド 特別版オルランド 特別版
Orlando
1992年/イギリス・ロシア・イタリア・フランス・オランダ/94分
監督・脚本・音楽:サリー・ポッター
原作:ヴァージニア・ウルフ
撮影:アレクセイ・ロジオーノフ
出演:ティルダ・スウィントン、ビリー・ゼイン、シャルロット・ヴァランドレイ、他
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個人的には馴染みのないヴァージニア・ウルフ原作のイギリス映画。この原作が書かれたのは1920年代ということなので、ちょうどそのころフランスではシュールレアリズムが盛り上がっていた時だろうか。そう考えるとちょっと不思議な感じがします。

監督のサリー・ポッターは脚本・音楽もこなした女流監督ですが、ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチの『耳に残るのは君の歌声』などを思い出すと「ゴージャス」な画が好きなのかなと思います。

今回も特に序盤のコスチュームなどは「大作」っぽい雰囲気を醸し出していました。

特に笑いがとまらない、とか、押し迫る緊張感がある、といった映画ではありませんが、最後まで飽きずに観てしまいました。

2人のダイアローグをカットを切り替えず、パンしているシーンが2つあったのですが、そのテイクはエリック・ロメールの「緑の光線」でのデルフィーヌを交えた庭での団欒のシーンを彷彿とさせ、とても自分好みでした。

あと、ラストシーン。嫌な人は嫌かもしれませんが、僕的にはとても「映画的」な手法で撮影されていて、作品の味わいを深めているように感じられ印象的でした。

ケン パーク

ケン パーク スペシャル・エディションケン パーク スペシャル・エディション
Ken Park
2002年/アメリカ・オランダ・フランス/96分/R-18
監督・撮影:ラリー・クラーク、 エド・ラックマン
脚本:ハーモニー・コリン
出演:ジェームズ ランソン、ティファニー・ライモス、スティーヴン・ジャッソ、他
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勢いのある性春映画。寺山修司の「トマトケチャップ皇帝」程ではないが、「この映画に出演している少年少女はその後ちゃんと大人になれたのだろうか?」と心配したくなる映画。そういう意味で目が離せない。

作中のエピソードが逐一「エロ」く逆に清清しささえ感じるようになるのが不思議。

付録映像にはたしか「モントリオール映画祭」出品時の映像が入っていたが、「小ぶり」な映画ながらインパクトは大きい映画だったよう。

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