幸せになるためのイタリア語講座
幸せになるためのイタリア語講座 Italiensk for begyndere 2000年/デンマーク/112分 監督・脚本:ロネ・シェルフィグ 撮影:ヨルゲン・ヨハンソン 出演:アンダース・W・ベアテルセン、ピーター・ガンツェラー、ラース・コールンド、アン・エレオノーラ・ヨーゲンセン、アネッテ・ストゥーヴェルベック、サラ・インドリオ・イェンセン、他 Amazonで詳しく見る |
デンマークの映画はたぶん初めて観ましたが、飾らない、素朴なキャラクターがイキイキとしていて、それを狙ったハリウッドものなどよりも、素直に伝わりやすい映画だった。
ただ映画とは別に気になったことは、登場するデンマーク市民の貧しいこと。
おそらく階級が上の人々は豪勢な暮らしをしていらっしゃるのはどこの国も同じだとは思うが、どうも社会に対する上昇志向のようなものが一切感じられなかった。
この映画は本国デンマークで大ヒットし、後に世界各国に配給がついた作品ですが、日本でもそれなりに好評だったよう。
作中の人物は一見地味な「ビバリーヒルズ青春白書」並の青春群像劇のようですが、仮にこの作品を日本で映画化するとすると、ため息が出る程がっかりしたものになるようにも感じた。
まず、金銭的に貧しい。この状況を打破するような意気込みや希望がなく、そのことに甘んじていることに引け目を感じていない。
言い方を変えれば、肩肘はって頑張っている姿が皆無ということなのですが、どちらも褒めれたものではありませんが、恋愛以外に希望が持てないことに不満を感じない人生ってどうなんだろうとも思う。
さらに、そこそこ平和だと思っている人が多いこの日本でも上記のような映画が受け入れられていることには驚いた。
「自分だけは負け組みになりたくない」と思うような人でも安易に負けを受容してしまう、その無自覚な発想の転換・切り替えに驚きおののくばかりです。
意外なところで考えさせられた1本。