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経験的には9割くらいは原作を先に読んでしまうと映画は楽しめないのですが…。そもそも小説自体を楽しめることも少ないといえば少ないのですが…。
文庫版の「嫌われ松子の一生」は上下巻本なのですが、上巻の120ページくらいまでは「何がどのように語られるのか」がわからずとても辛い時間を過ごした。真面目なのにうまく生きれない女性をイタイ感じで描く、というプロットは思い出したくもない嫌なこととをつい思い出してしまうので、とても嫌いなのですが、他の登場人物も「思慮」に欠ける人物が多く、出てくる人がほとんど嫌いな感じの人で、自分が嫌われ…になってしまいそうで、勝手に身に積まされてしまいました。嫌な思いまでして小説を読み進める必要はあるのか? と問わずにはいられませんでした。
途中から「楳図かずお」だ。と思うようになってからめくるめくエピソードが待ち遠しくなり、後半までのスピーディな展開に魅了されてしまいました。
構成は「映画的」というか、時間や話法が凝っていて面白かったのですが、結果的に同じエピソードの説明の重複がだるい部分もありました。
読み始めたときは「何がこんなに嫌なのか」がわからなったのですが、面白くなるうちにしだいに自覚的になり、その感じは、変な気もしますが、自分にはカタルシスでした。
映画化は自体はある程度のお金があれば難しくはない、というか、面白くなる要素は多いと思いますが、中島哲也監督がこの小説をどう映画化しているのかが俄然気になります。
原作のエピソードをただ2時間に凝縮してもそれが映画的に面白いとは限らないし、こういう作品は、画作りに凝ってもあまり報われないだろうし、登場人物が多いのでうまく魅せれば、NHKドラマ「おしん」のような「お涙ちょうだい」的な「国民的映画」になってもおかしくないとは思うのですが、綺麗だけど、どうも存在感の薄い中谷美紀さんの主演では難しいかな…と辛口なことを思ってみたり。