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アシク・ケリブ

アシク・ケリブアシク・ケリブ
Ashik Kerib
1988年/ソ連/78分
監督:セルゲイ・パラジャーノフ
原作:ミハイル・レールモントフ
出演:ユーリー・ムゴヤン、ヴェロニカ・メトニーゼ、他
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会社近くの「ジャニス」に、大学時代、早稲田松竹で観た「火の馬」の監督、セルゲイ・パラジャーノフの作品が複数置いてあることを発見。そして鑑賞。

「火の馬」を観たのはたしか10年程前ですが、パラジャーノフは「民族意識(アルメニア)と詩的な映像」が印象的だった。日常的なリズムの中で、ふと、彼の作品にふれると、とても異界を味わうことができる。

映像は詩的というか構図などが絵画的なところが前面に出ていて、プロット的には最初の10分くらいで想像がつく程シンプル。カット割りも荒削りで、パッケージとしての作品の完成度を目指していない点で、「自主映画」を思い起こさせる映画でした。

個人的に好きな監督ですが、たびたび出てくる「ザクロ」や衣装などの根拠が自分の民族的な処によるものと。はっきりわかってしまうので、その「根拠=テーマ」も独創的だったならばどんな映画をつくるのだろう、と、つい期待してしまいます。

監督本人も絵やコラージュも制作しているようですが、「画が印象的」というところでは、鈴木清順監督の「ツゴイネルワイゼン」「陽炎座」「夢二」の大正浪漫三部作やジャン=ジャック・ベネックスの「青い夢の女」を思い出しますが、ぶっとび度はポーランドのアンジェイ・ヤロシェヴィチ監督の「ワルシャワの柔肌」に匹敵します。


ウィキペディア:セルゲイ・パラジャーノフ


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2006年04月11日 06:05
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