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屋根裏の散歩者

屋根裏の散歩者屋根裏の散歩者
1994年/日本/74分
監督:実相寺昭雄、プロデューサー:一瀬隆重、他
原作:江戸川乱歩
脚本:薩川昭夫、撮影:中堀正夫
出演:三上博史、宮崎ますみ、六平直政、加賀恵子、嶋田久作、他
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未見の「江戸川乱歩」ものということで、石井輝男監督の「盲獣VS一寸法師」に続いて鑑賞。

全編スタジオ撮影で、使用機材などがハイクオリティーで「国内の主要な映画会社が制作した作品」な感じがする。ようは低予算インディペンデントな臭いがしないミステリー作品。

プロットは、安心して観ていられる、というか、途中でオチがわかる。想像以上のそれがあるのか? と少し期待して最後まで観る、が裏切られる。そういった意味で、原作に忠実なのか、脚色がない、というか保守的で、予定調和な印象をもった。単に題名「屋根裏の散歩者」それ以上でもそれ以下でもない作品。

この作品の製作後、実相寺昭雄監督は江戸川乱歩の別の短編「D坂殺人事件」を撮ることとなるが、とりわけ、乱歩ものがウマいわけではないように感じる、が、この「屋根裏の散歩者」は、セピアな色彩や意匠を凝らしたフレームワークなど、乱歩ファンは観て損はない映像作品に仕上がっている。

役者陣は、個人的に「いい味」を出していた宮崎ますみさんがプロットにあまり関わってこなかったのが残念ですが、「乱歩もの、というより、ポルノ映画か?」と思う程、濡れ場が多く、現在女優を休業しているらしい加賀恵子さんの艶っぽい演技や、俳優陣の腰のフリには少し驚いた。三上博さんの小芝居も随所に見られて少し楽しい。

ヘアーくらいはボカシ無しで観たいものですね。映倫さん。不自然に感じるのは私だけではないはず。


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乱歩は「人間椅子」にも見られるように触角にこだわる。この「盲獣」では、その触覚が全開し、触覚芸術論なるものまでが飛び出す。少し長いがその一部をを引用した... [詳しくはこちら]

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2006年08月16日 00:43
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