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ジョゼと虎と魚たち

ジョゼと虎と魚たちジョゼと虎と魚たち
2003年/日本/116分
監督:犬童一心、原作:田辺聖子
脚本:渡辺あや、音楽:くるり
出演:妻夫木聡、池脇千鶴、新井浩文、上野樹里、江口徳子、他
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長い間気にはなっていたのですが、数年越しでようやく鑑賞。

犬童一心監督作品は何年も前の東京国際映画際で「金髪の草原」を観て以来となります。犬童監督は「トニー滝谷」などの市川準監督作品の助監督などをしていたことは知っていたのですが、自主映画出身の監督さんだとは知りませんでした。

この「ジョゼと虎と魚たち」は田辺聖子氏の原作ものですが、登場人物、特に妻夫木さんの演じる役柄のキャラクターの設定に違和感があった。

ので、結果的に、このプロットならばわざわざ映画でなくても、テレビの特番などでやればいいような気はしてしまった。女性身体障害者の報われない恋愛、というストーリー全体がしっくり来ない感があった。

とはいえ、画作りはCMというよりは、必要以上に奇麗な画を目指していない感じがして、良い意味で自主映画的、というか高感度があった。

あと、池脇千鶴さんや妻夫木さんの弟の奥さん役のヌードなど「脱ぐ必然」はあまり感じないヌードがあり、原作に忠実だっただけかもしれませんが、この映画のリアリティーを深めることにつながっていると思う。


■「ジョゼと虎と魚たち」公式Webサイト
http://jozeetora.com/


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コメント (4)

Re:追記

MT3.3導入まで、コメント入力時の「確認」ボタンは削除します。
ご指摘ありがとうございます。

こんにちは。
コメントありがとうございます。

原作は読んでいません。「オリジナル脚本」ではないという意味で「原作もの」と書いています。

僕が「ジョゼと虎と魚たち」を観てまず思ったのは、妻夫木さん演じるのキャラクターは無知ゆえに思慮深さに欠ける、というか、気だけもたせて責任をとらない熱血無責任、というか、単純に、身障者を引き受ける度胸がない人に見えました。プロット的にも、それがだんだん現実味を帯びてくると彼は逃げ出していました。

僕が疑問に思ったのは、そんな主人公の凡庸なキャラクターを「魅力的に描こう」という製作側の意図を感じたことです。そこまで裾野をひろげたいならば映画ではなくてテレビで十分なのではないかと。

ちょうど、池脇千鶴さんと一緒に住んでいたおばあちゃんのような視線で僕が映画を観ていたからかもしれませんね。

でも、「ジョゼと虎と魚たち」は小規模映画のなかで、概ね「成功している」と評価の高い作品でもあります。プロットが僕とは接点がなかったのが残念に思っています。恐らく、犬童監督というより、田辺聖子さんだと思うのですが。


■朝鮮日報 Webサイト

追記。
コメント書き込み時、「確認」を押すとエラーが表示されますよ。

こんにちは。

この記事がでたとき、買っていて忘れていたのを見始めていたときでした。
見終わってからコメントを書こうと思ったので遅くなってしまいました。

> この「ジョゼと虎と魚たち」は田辺聖子氏の原作ものですが、登場人物、特に妻夫木さんの演じる役柄のキャラクターの設定に違和感があった。
> ので、結果的に、このプロットならばわざわざ映画でなくても、テレビの特番などでやればいいような気はしてしまった。

と、ありますが、原作ではどうなっているのでしょう?

あの決闘シーンで上野樹里が演じる女の子が「あの人、そんなご立派な人とちがうもん」というセリフが象徴するように、女の子が好きで、よこしまなことを思ったり、まじめなことも考えたりする、ふつうの男の子だからこそのドラマになっていると思うのですが。泣くのもそれだからこそ生きてくるんじゃないでしょうか。
ジョゼだけじゃなくて、彼の恋の終わりの映画でもあるわけですし。


それから「脱ぐ必然性のないヌード」がリアリティを高めるという発言は、映画をつくっているひとっぽい感覚だと思いました。

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2006年06月26日 08:53
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