![]() | インストール 2004年/日本/94分 監督:片岡K 原作:綿矢りさ 出演:上戸彩、中村七之助、神木隆之介、菊川怜、小島聖、田中好子、他 Amazonで詳しく見る |
たしか、今年の正月に池袋でロードショーしていて、綿谷りささんの本の映画化ということで、村上龍氏が審査委員長の時の芥川賞受賞作「蹴りたい背中」などでも気になっていた作家だったので「ぜひ劇場に足を運ぼう」と思っていたが、予告編の「コケティッシュな感じ」にすっかり足が動かなくなってしまい、観れるまで早9ヶ月がたってしまった。
結果的には、自分にとっては原作を読みたくならなかったのは残念だった。原作ものの(オリジナル脚本じゃない)映画で出来がいいものはつい原作に手がのびてしまうことが多い。
広い気持ちを持って、良いところをひろっていけばそれなりにはたくさん見つかるのだろうけど、根本的に演出が中途半端だった感は否めないと思う。
作品を観始めて5分くらいで終わりまで自分の想像を超えるようなことが起こらないだろう、という確信がもててしまうのは、脚本以上に作品にたいする演出家の手腕によるものが大きいと思う。
演出家のその作品に対する情熱というか想いが小さくまとまってしまったまま、スタッフ、役者に誤解なく伝わっている、という感じだろうか?
用は「もったいない」感がとてもしてしまう映画でした。本とか美術とかスタッフとか役者とか、話題性のある人たちが集まって作った割には「普通の作品ができた」という気がします。
上戸彩さん、今後、どんな女優になっていくのか、とか、小島聖さんってきっとじかに本人と話したら自分をもっていかれてしまいそうだな、とか、田中美子さんの存在感って自分好みだな、などいろいろ感じました。
でも変に期待しないで観れば、この作品を楽しめるようにも思う。
