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CASSHERN

CASSHERNCASSHERN
2004年/日本/141分
監督・撮影・脚本:紀里谷和明
出演:伊勢谷友介、麻生久美子、唐沢寿明、寺尾聰、樋口可南子、小日向文世、宮迫博之、佐田真由美、要潤、西島秀俊、大滝秀治、他
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70年代の「新造人間キャシャーン」は知りませんが、とりあえず映像が凄かった。初監督の紀里谷和明氏は撮影監督も兼任していたようですが、「実写とCGの融合」と言ってしまえば簡単ですが「おおっ」と思うような映像を作るのはとても困難だと思う。

特にアニメで最近よく行われているけれど悪い意味で「なんか不自然」な感じは否めない。その点この映画は僕が今まで観た合成映像の中で一番の出来だと思う。数カット「えー」と思ってしまう部分はありましたが。

ただ、「もったいない」と思ったのはそのテーマと内容。原作に忠実かどうかはわかりませんが、生命の倫理を描くならば、脚本にそれをちゃんと組み込まないと、観客に対してイマイチ訴求力に欠ける感があるように思う。

「教授が新造細胞の理論を完成させた」というだけでは薄いと感じてしまう。もう少しそれにまつわるテーマを掘り下げないと、「ある倫理を問う映画」にはならない。

あるいは、それはそれとして、原作を忠実に再現するのであれば、題名だけでお客さんを呼べるくらいの作品でないと、「エンタテイメント映画」として存在しにくいと思う。「映像が凄い」だけでは製作費をとりかえすことは難しいのではないだろうか。恐らく出演者やCG等にお金はとてもかかっているように思うし。

なんか「もったいない感」はありますが、今まで観たことのない映像は体験できるし、出てくる出演者が魅力のないアイドルなどではなく演技のできる役者さんばかりなので、とてもゴージャスな気持ちになれる一本です。


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2006年01月10日 01:21
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