« 幸福 | トップページ | クリシーの静かな日々 »

夜と霧

夜と霧夜と霧
Nuit et Brouillard
1955年/フランス/32分
監督:アラン・レネ、、原作・脚本:ジャン・ケイヨール
撮影:ギスラン・クロケ、サッシャ・ヴィエルニー
音楽:ハンス・アイスラー、助監督:クリス・マイケル、他
Amazonで詳しく見る

久々に観る凄い映像だった。

フランスでの公開は1955年だったようですが、日本ではたしか15年くらい経ってからだったはず。

マイケル・ウィンターボトム監督の「ウェルカム・トゥ・サラエボ」などもそうですが、こんなに生々しい映像は誰がどうやって集めたのか。その集めた映像をどうやって手に入れたのかが、まず気になる。

それと、ナチのユダヤ人虐殺は有名、というか、日本でも広く知られることだが、日本人の中国人の虐殺はどれくらいの人がその意識、認識をもっているのだろう。日本の国、自体がいつものように国内外に対して責任を取らない態度でいるために、そこに住む日本人も無知なまま、みっともない人生を送っている人も多いはずだ。

大量に虐殺しているはずなので、映像のソースも必ずどこかにあるはずだが、不思議と映画化されていないような気がする。無駄に情報があふれる中、未だに少なくともこの「夜と霧」のように観ようと思って手に取れる状態にはなっていない。

こんなことでは広島と長崎に原爆を投下したことを未だに知らないアメリカ人を馬鹿に出来ないどころか、悪い意味で全く同等だ。

作品的には「去年マリエンバートで」「24時間の情事(ヒロシマ・モナムール)」などで知られるフランスのアラン・レネの監督作品ですが、フィクションとドキュメンタリーというジャンルをまたいだ作品を発表しながら、同じ「記憶」をテーマとした作品に仕上がっている点は特筆に値する。

そもそも製作サイドは集客が見込めるものを作るのだとは思いますが、昨今の日本では、甘ったるいヒューマニズムで観る者の思考を停止させるような右翼映画ばかり公開されて、観る人は不服を感じないのだろうか。



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.sakaiakira.net/mt/mt-tb.cgi/655

コメント (1)

ナチの、虐殺したかった。
きょうはサラエボへ監督する?

コメントを投稿

プロフィール

「映画喫茶」は自主映画監督、酒井啓が鑑賞した映画や小説などの備忘録ブログです。詳細は公式サイトへどうぞ。
■公式サイト(日本語版・Japanese)
http://www.sakaiakira.net/
■公式サイト(英語版・English)
Official SAKAI Akira Website

About

2006年12月06日 02:52
に投稿された記事です。

前の記事→「幸福

次の記事→「クリシーの静かな日々

他にも多くの記事があります。
トップページ
アーカイブページ

PR



>