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冒険の国

冒険の国冒険の国
桐野 夏生

新潮社

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久々の桐野夏生さんの作品でした。「天使に見捨てられた夜」「ファイヤーボール・ブルース」「柔らかな頬」などしばらく前に乱読していたのですが、しばらくぶりになります。「OUT」は映画化もされ話題になりました。

この「冒険の国」はかなり初期の長編作品(長編処女作?)ですが、文学賞の受賞は逃したものの、一連の桐野作品にみられる「シニカルさ」がすでに存分に現れていました。この文庫版は当時の発表原稿に手を入れて「文庫オリジナル版」となっています。

約160ページで「長編」というより「中篇」という感じですが、著者の他の長編と比べると、「ネタ」と「ネタ」のあいだにアソビがない、というか、全体の構成上必要な要素があからさまにそこにある、感じが少しします。

「中篇」の難しいところでしょうか。著者はずいぶん前に書いたもので、その未熟さに読み返すのが恥ずかしかったようですが。


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すばる文学賞最終候補に残ったが、結局世に出されなかった桐野夏生先生の幻の処女作。文庫化にあたって、加筆、修正されたらしいが、桐野ファンなら「うん、うん」とうなず... [詳しくはこちら]

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2005年11月04日 12:58
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